北半球(夏)では死亡率が低い

 
「プチ整形の世界」を紹介するブログのはずなのに、このところコロナの話ばかり書いていてすみません。
しかし、やはり、医者の端くれとして、一番の関心ごとではあるので、続き書きます。
3月に、見通しとして「春になって季節が変わればおさまるのではないか?」と書きました(→こちら)。
7月になっても、感染者数増加しているようで、この点の私の予想は外れました。
ただし、なぜか死亡者数は少ないままです。
若者と高齢者の接触が少なくなったためなのかな?と考えていました(→こちら)が、先日、The telegraphというイギリスの新聞に「コロナウイルスは弱毒化して虎から山猫になった。ワクチン完成を待たず収束するかもしれない(Coronavirus has downgraded from 'tiger to wild cat' and could die out without vaccine)」という記事が掲載されました(→こちら)。
どうも、コロナによる死亡率の低下は、日本だけではなさそうです。
それで、札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門が作成している、「人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】」で、確認してみました。
横軸は「人口100万人あたりの死者総数」で、縦軸は「人口100万人あたりの新規死者数(7日間)」です。
たぶん、研究所としては「人口100万人あたりの死者総数がある数に達すると、新規死者数が低下するだろう」という仮説のもとにこのグラフを作成しているのだと思います。
私は、これを、北半球と南半球とで分けて、表示してみました。
すると、北半球(夏)では、新規死者数の低下がみられるのに、南半球(冬)では低下傾向がみられないのが判りました。
<北半球>
<南半球>

この解釈はむつかしいです。以前、コロナウイルスの感染力は、温湿度の影響を受けるので、夏になれば自然に収束に向かうだろう、と書きました。しかし、7月になっても感染者数は増加しており、この点の私の予想は外れました。
しかし、死亡率は、季節の影響を受けているように見えます。
コロナウイルスにも、致死率の高いものと弱いものがあって、夏でも感染するウイルスは致死率の低いものなのかもしれませんね。
逆説的な考え方で恐縮ですが、現在のコロナの感染拡大は、むしろ好ましいことなのかもしれません。もしも、北半球が冬になる次の12月頃から、また死亡率が上がるとしたら、夏のうちにコロナに感染してしまっておいたほうが、免疫がついて良いのかもしれないからです。
「夏のコロナは冬に備えてのワクチンみたいなもの」という考え方です。

さて、久しぶりに、糸の症例写真でも、掲げてみようかと思います。
この方、最初の施術は2007年。13年前です。

施術直後。

半年後です。まぶたのたるみ取りのため、いらっしゃった時のもの。

13年後です。再度の糸での引き上げ希望でいらっしゃいました。

施術直後。

また13年くらい持ってくれるでしょう。その時には、さすがに私はもう引退してるかもしれませんが。
その前に、ご縁があったら、もう一回くらいお会いできるかな?
まあ、コロナやらいろいろありますが、皆さん、死ぬまで元気で頑張りましょう。
(R2.7.24記)

東京の感染者数増加をどう考えるか?


私は美容外科医(皮膚科医)であり、このブログも施術のbefore/afterを中心に書いてきました。専門外の感染症の予測など書き連ねて、情報を混乱させるべきではない、という意見もあるでしょうが、4月から5月にかけての予測が割と当たっていたので、引き続き私の考えるところを記してみます。
東京を中心に、新規感染者数が増えています。東京や政府は、再びアラートや緊急事態宣言を出すべきなのでしょうか?いわゆる第二波は来ているのでしょうか?
まず東京の1日あたりの新規感染者数の推移です。100人を突破しました。

さあ、大変だ、と感じるのはもっともですが、一日あたり死亡者数の推移を見てみましょう。さほど増えてはいません。

全国でも確認してみましょう。感染者数は地増加傾向です。

しかし、死亡者数はさほど増えていません。東京と同じです。


この解釈ですが、
(1)東京を中心に増えている感染者は、若年者が中心で、重症化しにくい、
(2)マスク着用やソーシャルディスタンスの習慣が身に付いたため、若年者から高齢者への感染が防がれている、
ということだと、私は解します。
これは悪いことではありません。重症化しにくい若年者の間で感染と治癒がひろがっていけば、それはちょうどワクチンを接種するのと同じだからです。感染の最中にいる若者が高齢者と接触することはリスクですが、治癒して免疫をもった若者が増えれば、高齢者にとっては「人間の盾」になります。

いま必要なのは、「夜の街での遊びの自粛を促すこと」ではなくて、「若年者と高齢者との接触を可能な限り断つこと」だと私は考えます。

高齢者の皆さん、若者には近寄らないようにしましょう。若者、とくに活発に夜遊びしているような人は、しばらく実家に帰ったり、病院におじいさんおばあさんのお見舞いに行ったりしないでください。
次記事では、また美容若返りの施術のbefore/afterが書ければいいなあと思います。
しかし、気がついたら2020年も、もう折り返しに来てしまいました。今年は早く感じますね。
(2020/7/4記)

5月7日より診療再開します(その2)


先回の記事(→こちら)で「新規コロナ患者数がこのペースで減少していけば、だいたい5月20日頃には収まるだろう」と記しましたが、今のところ予想通りです。若干早く、5月18日頃になるかもしれません。
東洋経済オンライン編集部の萩原さんのサイト
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
の5月5日時点での全国の「現在の患者数(新規)」のグラフに加筆。

ただし、都道府県毎の新規感染者数のグラフを見ると、東京や北海道の減少が今一つです。愛知や大阪はきれいに減少しています。
とくに、愛知県内は、この数日、新規患者数が5人以下が続いています。
東京都の人口は1395万人、愛知県は755万人です。人口比で換算しても、愛知県内の人を施術する分には、よほど感染リスクは小さくなっています。
ちなみに大阪府は882万人、北海道は528万人です。


なので、7日以降の診療は、まずは都道府県を考えてお受けすることにします。愛知県内の方は大丈夫です。隣県の三重・静岡・長野・岐阜も、愛知よりも感染者数が少ないか、ほぼ同等ですからOKです。東京・大阪・北海道など、収束傾向が今一つか、または愛知よりも人口比換算で感染者数が多い地域の方は、もう少しお待ちくださいm(_ _)m。上記のように、5月中には収まるはずなので6月にはお受け出来ると思います。
都道府県別、人口あたりの新型コロナウイルス感染者数は、下記サイトで確認できます。
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/japan.html

ところで、隣の韓国は、コロナ禍から抜け出して、元の社会生活を取り戻しつつあります。韓国のほうが日本より上手に対処したように誤解する方もいると思いますが、そうではなく、韓国は日本よりも2~3週間早く死者数の増加が始まったからです。人口100万人あたりの死者数で比較すると、中国・韓国・日本はほぼ同じです。理由は不明ですが、アメリカやイタリアなど欧米とは異なります。
だから私は「2~3週間後の日本は、韓国を見れば判るし、1か月半後の日本は、中国を見れば判る」と考えています。「中国・韓国・日本が同じように推移する」という仮定に立つ仮説ではありますが、ご参考になさってください。

札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門作成「人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】」(5月5日)
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/death.html

閑話休題。
朝、近所の神社を散歩していて、掃き集められた椿の花を見つけました。
「落ちて尚 綺麗を忘れぬ 椿かな」

コロナ自粛は退屈ですが、落ちた椿の花のような、ふだん見過ごしていたものの美しさに気付く良い機会でもあります。皆さん色々大変ですが頑張りましょう。
(2020/5/5記)

5月7日より診療再開します


新型コロナの拡散防止に協力するため、4月10日よりクリニックを閉めていましたが、5月6日まで休診を続け、5月7日より診療再開することにします。

これを書いているのは4月23日です。まだ2週間先のことなので、状況が変わるかもしれませんが、現時点で、私がなぜそう判断するに至ったかをまとめておきます。

最大の理由は、全国の毎日の新規コロナ患者数が、4月12日をピークとして減少に転じているからです。非常にざっくりと、このペースで減少していくと考えてグラフに外挿すると、だいたい5月20日ごろには収まりそうです。

東洋経済オンライン編集部の萩原さんのサイト
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
の4月22日時点での全国の「現在の患者数(新規)」のグラフに加筆

もう一つは、時間経過とともに免疫獲得者が増えていくという視点です。
一般的に感染症は下のグラフのように流行が進みます。なので、5月20日頃には、1日当たりの新規患者数が3月上旬と同じく数名に落ち着くという予想を立てたとしても、それは3月上旬と同じになるということではありません。もっと状況が良いです。感染しない人(免疫獲得者)が増えているからです。

青:未感染者、緑:感染者、赤:免疫獲得者

もうひとつは、季節の問題です。「熱帯でも南半球でも死者は出ているじゃないか?」と言う方もいるでしょうが、下のグラフをご覧ください。人口100万人当たりの国別の死者数の推移です。
南半球のニュージーランド、オーストラリア、ブラジルは、北半球のイタリア、英国、アメリカよりも、人口当たりで補正してみると、死亡率がずいぶん低いことがわかります。
ブラジルなどは、大統領の方針で、都市封鎖よりも経済を優先させていますが、それでもアメリカよりはるかに低いです。
これから日本は夏に向かうので、感染しにくくなるはずです。


札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門作成「人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】」
の4月22日のグラフに加筆

最後にもう1点、アジアと欧米の違いです。
上の国別グラフには、中国と韓国も加えてあります。同じ北半球の国でも、アジアは欧米よりも死亡率が低いです。比較してみてください。
原因はわかりません。民族(遺伝子)の違いかもしれないし、生活習慣の違いかもしれない。あるいは、元々新型コロナはアジア(中国)由来のウイルスなので、アジア人は、近縁のコロナウイルスに既に罹っていた人が多く、交差免疫を持っているのかもしれません。
いずれにせよ、欧米のような死屍累々といった状況にはならなさそうです。

以上の観点から、5月7日からクリニックを再開することにします。政府および愛知県の緊急避難宣言の解除の有無に関わらずです。
繰り返しますが、これは、4月23日時点での判断です。今後の状況によって変更するかもしれません。

状況が好転したとしても、リスクがゼロになったわけではありませんから、引き続き感染対策には留意します。
5月7日以降は、当クリニックから、クラスターを発生させないことが目標です。お互い頑張ってこの辛い時期を切り抜けましょう。
(R2.4.23記)

前回記事の追記同様、John Burn‐Murdochのグラフ(https://twitter.com/jburnmurdoch)から単純に線を引いてみると、日本が現在の韓国並みに落ち着くのは6月10日くらいになります。



イタリアは、9月10日くらい、アメリカは10月以降です。
上の記事で「5月20日くらい」と書いたのは、元のグラフが「新規患者数」なためで、新規患者数の落ち着きよりも、「死亡者数」の落ち着きの方が遅れます。
それにしても、欧米はまだまだ大変な状況が続きそうです。
抗体陽性率と経済を見ながら、段階的に緩めていくんでしょうね。
(R2.4.25追記)

コロナ対策として、まずは2週間クリニックを閉めます

愛知県の緊急事態宣言を受けて 当クリニックはしばらく休業とさせていただきます。尚、状況を見ながら営業再開を探します。 その節はこちらにお知らせさせていただきます。 今月、御予約頂いていたお客様には 随時、こちらからご連絡させていただきますのでしばらくお待ちください。 
 
私を含め、クリニックスタッフや、お客様の中に、感染者や濃厚接触者が出たからではありません。くれぐれも誤解なさらないでください(汗)。

病気を診るクリニックと異なり、美容若返りというのは、不要不急以外の何物でもありません。開業して17年になりましたが、医療者としての矜持は残っています。いま、自分に出来ることは、率先してクリニックを閉めて、世間の自粛の雰囲気を少しでも高めることだと考えました。10日以降のご予約のお客様にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ください。

再開は早めを心がけます。

さて、今回は、私がコロナ騒動の今後を占うために参考になると考えた三つのサイトを紹介します。この三つのサイトと、政府および愛知県の勧告をチェックしながら、再開の時期を見極めます。

まず、東洋経済オンライン編集部の萩原さんのサイトです。


このサイトの、どこが良いかと言うと、毎日の新規感染者数だけではなく、PCR検査人数、重症者数、死亡者数までグラフ化されている点です。新規感染者数は検査人数によって変わります。しかし重症者数や死亡者数というのは、検査人数の影響を受けにくいと思われます。なので、感染拡大の勢いをより冷静に確認できると思います。

次に、札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門が作成している、「人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】」です。


国別の、人口100万人あたりの死者数の比較ができます。4月9日の時点で、低い順に、南アフリカ0.3、ロシア0.43、日本0.64で、日本は下から3番目です。DT(ダブリングタイム、死亡者数が倍増する日数で、曲線の傾きで表わされる)も韓国とほぼ同じで、中国の次位に低いです。イタリア、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスなどは大変なことがわかります。
なぜこれだけ国による違いが生じるのかはわかりません。とにかく事実です。

次に「3週間後のコロナ状況を正確に予測できる「DTチャート」が示す真実」というサイトです。PRESIDENT Online の橘玲さんという方が書かれた記事なのですが、Financial Times(FT)の統計チーム(John Burn‐Murdoch)の作成したグラフの解説です。


John Burn‐Murdochのツイッター(https://twitter.com/jburnmurdoch)から直接彼の分析を追って行くのがいいですが、DTの読み方など、いきなりはとっつきにくい部分もあるので、まずは橘さんの解説をじっくり読み込むことをお勧めします。

結論的には、日本はまだ、欧米のような強硬なロックダウンをしなくても、なんとかなるのではないかという、楽観的な判断が得られます。

楽観的な要因はもうひとつあります。一か月ほど前に書きましたように(https://tsurumaikouenn.blogspot.com/2020/03/blog-post.html)、季節が変わりつつあるという点です。コロナウイルスは、環境の相対湿度の影響を受けます。相対湿度が低くても高くても生き延びますが、中間の50%湿度では生存しにくいです。だから、4月中旬から感染者数の広がりは減少し、死亡者数は20日くらい遅れますから、5月の連休明けくらいから、減少し始めるのではないかと読んでいます。

なので、うちのクリニックは、10日から休業を始めましたが、これは、悲観的に考えてというよりは、医療者の端くれとして、美容若返りのような不要不急の商売をしている人間が、いま出来ることは、クリニックを率先して閉めることで、皆さんの外出自粛のムードを高めたいと考えたからです。
繰り返しますが、再開は早めを心がけます。上記のような私の読みが当たっているかどうかを、2週間後の4月24日に再度判断します。その結果、早ければ、緊急事態宣言の解除に関わらず、25日から通常診療再開しますので、25日以降お予約の方は、24日のクリニックHPでのアナウンスまたは24日のこちらからの電話連絡をお待ちください。
(2020/4/10記)

PS
John Burn‐Murdochのグラフから、単純に線引いてみると、イタリアは6月10日、アメリカは7月20日頃に今の中国並みに落ち着きそうです。日本は死者数爆発的に増えてないので、もう少し早く、たぶん連休明けじゃないかな。(4月11日追記)

スプリットタン手術・フルムービー

【お知らせ】東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県のお客様へ 緊急事態宣言が4月8日から発効されるのに伴い、同日から1か月先までの、この地域からのお客様のご予約をいったんキャンセルさせていただきます。 本日7日より、順次、こちらからお電話させていただきますので、お待ちください。 コロナウイルスの感染拡大が止まった時点で、これらのお客様には、お昼休みなどを利用して優先的に施術させていただきますので、どうかご理解ください。 命あっての物種です。くれぐれも不要不急の外出は避けて、御身御大切にお過ごしください。 

デザインから施術終了まで749秒です。短時間なので、編集せずにフルムービーにしました。
 
こちらをクリック→https://youtu.be/nPx3xKK38Mk

スプリットタンの手術をやっているクリニックはなかなか見つからないと思います。最大の理由は、医師自身が感情移入しにくい点でしょう。

しかし、ピアスの穴開けだってよく考えてみるとスプリットタンと本質は変わりません。まあ、その辺の議論は、措いておいて、スプリットタンにしたい、っていう欲求をひそかに抱えている人は、ちらほらといるみたいです。動画の女性は三十代なんですが、十代の頃、初めてスプリットタンというものの存在を知ったときから、ずっと憧れていたそうです。理屈じゃないんでしょうね。

現実的に考えても、タトゥーと違って、温泉やプール断られることも無いし、就職の制限もありません。・・これ書くと、きっとスタッフに怒られると思いますが、オーラルセックスでパートナーに喜ばれるっていうメリットもあります。これ聞いた時は、本当に目から鱗でした。

私なりに真面目に考えてみたんですが、「スプリットタンにしたい」という願望を持った方に対して、「止めておきなさい」という理由が今のところ見当たりません。クリニック忙しいですが、他に施術しているところなかなか無いようだし、ちょっと人助けするみたいな気持ちでやってます。施術代金5万円+税です。

人とは違った個性に憧れる身体改造願望お持ちの方は、タトゥーよりもスプリットタンの方がいいですよ。舌突き出して見せない限り、普段はまったく気付かれませんから。

タトゥーはやめておいた方がいいです。あとで消したくなること多いし、簡単には消せないから。
(R2.3.17記)

コロナウイルス対策その3


「CPAPを用いた理想的なマスク」は→こちら。これはどうしても新幹線や飛行機に乗る必要が生じたときのためです。そういう用事ができたときには、私、本当にこれ付けて、新幹線や飛行機に乗ります。そのときはまた動画UPしますので楽しみにしていてください。
クリニックの消毒については→こちら。強酸性水(次亜塩素酸を主成分とする水溶液)を活用しています。
今日は、環境の湿度について書きます。
なぜ書くかというと、先日公表されたハンドブック(→こちら)を読んでいて、湿度のことが書いて無いな、と気が付きました。だから皆さんに注意喚起しようと思い立ったからです。
私はもともと皮膚科医です。アトピー性皮膚炎の一部の患者が、環境の温湿度、室内環境や季節変化によって悪化する様をみて、研究してきました。なので、こういう話には普通のお医者さんよりは詳しいです。
コロナウイルスについての文献を調べると、環境の温湿度によってウイルスの生存率が異なるというデータがあります(→こちら)。どうも相対湿度がウイルスのenvelopeに影響を及ぼすようです。
 

二種類のコロナウイルスの20℃での生存率のグラフです。a相対湿度20%、b 50%、c 80%。a>c>bの順にウイルスが生存しやすいことがわかります

冬場の室内環境と言うのは、エアコンなど水分を発生しない非燃焼系の暖房器具の普及によって、相対湿度は低くなる傾向があります。加湿が必要です。
うちのクリニックの診察室での温湿度と、気化式加湿器を運転したあとの変化を確認してみました。



診療後に行ったので、気温は時間とともに低下しています。気温が下がるとそれに応じて相対湿度は上がりますが、それ以上に上昇していると推測されます。この話は重要なので後で詳しく書きます。
この夜は天気は雨でした。外気温は7℃です。

雨ですから、外気の相対湿度は高いでしょう。しかし気温が低いので、絶対湿度としては低く、室内で加温されれば相対湿度の低い乾燥した空気になります。だから冬は加湿が必要です。
空気線図で換算することが出来ます。
加湿器運転前は、室温22.3℃相対湿度28%でした。絶対湿度が同じと考えると、外気7℃の場合、相対湿度は70%近くになります。

 武漢と東京の年間平均気温と相対湿度のデータがあります。これは外気のものです。仮に25℃に室内空気が加温されていると考えると、空気線図を用いて換算した12月~3月の室内の相対湿度は下図のようです。

(数字見にくい方はクリックして拡大してください)

ここから何が言えるかと言うと、
(1) 外気温が低いからといって、エアコンの温度を上げないほうがいい。相対湿度が低下してコロナウイルスが生存しやすくなるので。
(2) 武漢は3月、東京は4月になれば、加湿せずにエアコン使った場合の25℃換算の相対湿度も30%を超えるので、コロナウイルスは伝番しにくくなり、収束に向かうだろう。

ということです。
あくまで、室内空気環境からの予想です。もちろん、一番大切なことは、多くの人が集まらないことです。
しかし、(1)の観点から、公共の場でエアコンの運転を控えよう、という話は、もっと盛り上がってもいいような気がします。「もっともだ、大事な情報だ」と思った方、拡散願います。
寒さは各自が厚着してしのぐといいです。
さて、クリニックの待合ですが、今日から気化式の加湿器に、強酸性水を入れることにしました。次亜塩素酸水溶液なので、加湿と同時に空気の殺菌もしてくれるので、病院やクリニックには良いと思います。もっともだと思った同業の方、ぜひ取り入れてください。


わずかに塩素臭がしなくもないですが、スタッフに確認したところ気にならないとのことなので、3月中はこれで行こうと思います。
(R2.3.1記)

R2.3.6追記
南半球は現在まだ感染者数少ないですが、これから南半球が冬になったときにまだ収束して無くて、南半球で増加し始めたら厄介だと思います。
世界のリアルタイム感染者数は→こちら

クリニックの消毒について(ウイルス対策)


2020年2月25日、新型コロナウイルス対策の基本方針が発表されました。いよいよ対岸の火事ではありません。クリニックを閉めるまではしませんが、私も医者ですから、防疫の観点から、いろいろクリニック内を見直しています。
消毒に関してですが、次亜塩素酸ナトリウム希釈液が推奨されているようです。

こちらをクリック→市民向けハンドブック

たまたまですが、私は従来から強酸性水を院内で作成して、これを消毒薬として用いてきました。強酸性水は、次亜塩素酸を主成分とする水溶液です。アトピー性皮膚炎の皮表の黄色ブドウ球菌を除菌して症状を和らげる効果があったので、皮膚科医のころから馴染みでした。かぶれなどアレルギー反応を起こす心配がなく、皮膚に優しいので、美容外科に転じてからは、ヒアルロン酸やボトックス注射の前の皮膚の消毒に用いています。うちでヒアルロン酸注射をされた方は、注射の前にスプレーで冷たい液体をかけられたと思いますが、あれが強酸性水です。
細菌感染の防止目的なのですが、インフルエンザなどのウイルスに対しても有効です(→こちらこちら

上掲の市民向けハンドブックには、市販の塩素系漂白剤(ハイターなど)を希釈して次亜塩素酸ナトリウム水溶液を作る方法が記されています。有益な情報だと思うので、図のところだけ切り取ってここにも貼っておきます。こういう情報こそ、SNSで拡散されるといいのになと思います。


私が使っている強酸性水生成器と同機種が、まだamasonで売られています(→こちら)。8万円くらいです。ハイターは希釈を間違う危険もあるので、アトピー性皮膚炎のかたや同業の方は、この機会に購入されてはいかがでしょうか?(アトピー性皮膚炎での使い方は→こちら

出来上がった強酸性水をミストディスペンサーとスプレーボトルに詰めます。

ミストディスペンサーは玄関入り口での手の消毒用です。
スプレーボトルに詰めたものは、スタッフに持たせて、お客様が触る箇所や、肌に直接触れる器具を消毒します。



美容クリニックとはいえ、医療機関である以上大事なことなので、コロナウイルス騒動がおさまった後も、引き続きこの習慣は続けようと思います。
(2020/02/28記)

肝斑上のしみとり


先のブログ記事にも追記したのですが、かずこ先生が私のCPAPマスクを絶賛してくれたので、こちらにも動画をUPします。最後に「そうはいかない」と、つれないところが、和子先生らしくていいです(笑)。
こちらをクリック→https://youtu.be/0_XMtUm0ThY

さて、少しは美容のお話も書かなければ誰かに叱られそうです。下の写真は、肝斑上のしみとりをした方。 レーザー照射前です。 


下は一週間後です。ピンク色の部分は大きなしみを焼いてかさぶたが取れたところで、細かい茶色の点は小さ なしみを焼いてかさぶたがまだ剥がれずに残っています。 このあと、ピンク色の部分が周りの肝斑よりも逆に濃い茶色になりますが、それは「戻りじみ」という現象で、 平均半年くらいで消えていきます。とお話ししました。通常はこれで診察終了です。

 ところが 5 か月後、この方から「戻りじみもまだ消えていないが、レーザーを当てていない部分も濃くなってし まっている」とお電話がありました。そこで来院いただいて拝見しました。 なるほど、戻りじみの他に、肝斑全体が濃くなっています。これはどういうことでしょうか?

 肝斑というのは、女性ホルモンの変動によって悪化したり軽快したりしますが、季節(紫外線)もまた、増悪因子のひとつです。この方がしみとりをしたのは1月でした。そして5か月後は6月、紫外線が強くなる時期です。
「おそらく季節変動でしょう。もう半年たって冬になることには、戻りじみも消えて、肝斑も薄くなっているはずです」
そう説明しました。
そして半年後、しみとりしてから一年後が下の写真です。
戻りじみは消えて、肝斑の色ももとに戻っています。

ちょっと一年前との比較がわかりにくいかもしれないので、写真を並べてみました。肝斑は変化が無く、しみだけが取れているのがわかりますでしょうか?

肝斑については、レーザーカーボンピーリングを繰り返せば、さらに綺麗になっていく(→こちら)のですが、残念ながらこの方はなさっていません。またその気になったら試してみていただきたいものです。
(R2/2/25記)