コロナウイルス対策その3


「CPAPを用いた理想的なマスク」は→こちら。これはどうしても新幹線や飛行機に乗る必要が生じたときのためです。そういう用事ができたときには、私、本当にこれ付けて、新幹線や飛行機に乗ります。そのときはまた動画UPしますので楽しみにしていてください。
クリニックの消毒については→こちら。強酸性水(次亜塩素酸を主成分とする水溶液)を活用しています。
今日は、環境の湿度について書きます。
なぜ書くかというと、先日公表されたハンドブック(→こちら)を読んでいて、湿度のことが書いて無いな、と気が付きました。だから皆さんに注意喚起しようと思い立ったからです。
私はもともと皮膚科医です。アトピー性皮膚炎の一部の患者が、環境の温湿度、室内環境や季節変化によって悪化する様をみて、研究してきました。なので、こういう話には普通のお医者さんよりは詳しいです。
コロナウイルスについての文献を調べると、環境の温湿度によってウイルスの生存率が異なるというデータがあります(→こちら)。どうも相対湿度がウイルスのenvelopeに影響を及ぼすようです。
 

二種類のコロナウイルスの20℃での生存率のグラフです。a相対湿度20%、b 50%、c 80%。a>c>bの順にウイルスが生存しやすいことがわかります

冬場の室内環境と言うのは、エアコンなど水分を発生しない非燃焼系の暖房器具の普及によって、相対湿度は低くなる傾向があります。加湿が必要です。
うちのクリニックの診察室での温湿度と、気化式加湿器を運転したあとの変化を確認してみました。



診療後に行ったので、気温は時間とともに低下しています。気温が下がるとそれに応じて相対湿度は上がりますが、それ以上に上昇していると推測されます。この話は重要なので後で詳しく書きます。
この夜は天気は雨でした。外気温は7℃です。

雨ですから、外気の相対湿度は高いでしょう。しかし気温が低いので、絶対湿度としては低く、室内で加温されれば相対湿度の低い乾燥した空気になります。だから冬は加湿が必要です。
空気線図で換算することが出来ます。
加湿器運転前は、室温22.3℃相対湿度28%でした。絶対湿度が同じと考えると、外気7℃の場合、相対湿度は70%近くになります。

 武漢と東京の年間平均気温と相対湿度のデータがあります。これは外気のものです。仮に25℃に室内空気が加温されていると考えると、空気線図を用いて換算した12月~3月の室内の相対湿度は下図のようです。

(数字見にくい方はクリックして拡大してください)

ここから何が言えるかと言うと、
(1) 外気温が低いからといって、エアコンの温度を上げないほうがいい。相対湿度が低下してコロナウイルスが生存しやすくなるので。
(2) 武漢は3月、東京は4月になれば、加湿せずにエアコン使った場合の25℃換算の相対湿度も30%を超えるので、コロナウイルスは伝番しにくくなり、収束に向かうだろう。

ということです。
あくまで、室内空気環境からの予想です。もちろん、一番大切なことは、多くの人が集まらないことです。
しかし、(1)の観点から、公共の場でエアコンの運転を控えよう、という話は、もっと盛り上がってもいいような気がします。「もっともだ、大事な情報だ」と思った方、拡散願います。
寒さは各自が厚着してしのぐといいです。
さて、クリニックの待合ですが、今日から気化式の加湿器に、強酸性水を入れることにしました。次亜塩素酸水溶液なので、加湿と同時に空気の殺菌もしてくれるので、病院やクリニックには良いと思います。もっともだと思った同業の方、ぜひ取り入れてください。


わずかに塩素臭がしなくもないですが、スタッフに確認したところ気にならないとのことなので、3月中はこれで行こうと思います。
(R2.3.1記)

R2.3.6追記
南半球は現在まだ感染者数少ないですが、これから南半球が冬になったときにまだ収束して無くて、南半球で増加し始めたら厄介だと思います。
世界のリアルタイム感染者数は→こちら