アートメイクの本出版します

「ご無沙汰しております。先生のところのブログ、更新がないままそろそろ1年経過しようとしています。愛読者としては非常に寂しい限りです。新作を読みたいです。」

昨日こんなメッセージが知人の美容外科の先生から届きました。

たしかに放置していたのですが、いろいろ理由はあって、まず一番は、3年前にコロナの展望についていろいろ楽観的なことを書いたんですが、これが外れたんで、ちょっと恥ずかしくなって、コロナが収まるまで自粛してたってのがあります。

次に私も年を取ってきて(今年64才になります)、こういったブログなどで情報発信するっていうことで、何ていうんだろう、今はやりの言葉でいうところの「承認欲求」みたいなものを満たそうって欲が枯れつつあるのもあります。

もうひとつは、私の経歴を承知の方は分かると思うんですが、もともとアトピー性皮膚炎の脱ステロイドっていうのに長く携わってきました。日本皮膚科学会のガイドラインにステロイド外用剤による皮膚の依存性に関する警告が、まがりなりにも掲載されたっていうのがあって、まあ一区切り、肩の荷が下りたのと、それでもあんまり世の中大して変わっていないように見えるし、美容外科に移ってからは、溶けない糸でのたるみ引き上げに魅了されて、これを追求して長期効果などもエビデンスを確認して英語論文にもして、って取り組んできたんですが、こちらも私が頑張ってるわりには普及しない、むしろ効果の持続しない、私に言わせれば何の意味も無い「溶ける糸」での引き上げが主流のようだし、独り相撲を取り続けることに疲れてきたってのもあります。

久しぶりのブログなのに、元気の無さそうなこと書いてすみません。だけどやることはやってますよ。下の写真何か分かりますか?私が使っている「溶けない糸」の原糸です。プロリンの0番。これに刻みを付けて引き上げ用の糸に加工します。

これだけあると約1万本の糸が製作できます。私はだいたい一年間に2~3千本の糸を挿入するので数年分になります。既に作り置きが1万本くらいあるので、併せれば今後十年分くらいのストックになるでしょう。

糸の加工をしてくれているのは、私よりも年上の職人さんなので、いつ引退されるかも知れません。跡を継いで糸を加工してくれる人もいないだろうから、私があと十年糸を入れ続けたら、この施術も終わるのかなあ。

またまた感傷的になってしまった。いかんいかん。

とりあえずあと2万本くらい糸はあるので、私が健康である限りは施術続けますよ、ご安心ください、って話をしようとしていたのでした。

もう一つ元気な報告があります。アートメイクの本を出版します。

 

いま印刷中ですが、4月中頃にはamazonで買えるようになります。

「はじめに」から少し引用しましょう。

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日本では、アートメイクは医行為であるとされた。そして従来アートメイクを施術していた無資格者たちは違法とされ駆逐された。しかしアートメイクの需要は存在する。

ここをビジネスチャンスと考える医師や看護師、あるいはアートメイク専門院を展開しようと考える事業家も登場した。

筆者は決してそのような考え方を否定するものでは無い。自由診療、とくに美容医療が営利を目的としても何の問題も無い。しかしその内容はどうだろうか?それまでの非医療者の施術を踏襲するだけで、色素の成分や滅菌方法にも無頓着な、およそ医療の名のもとに行われているとは言い難い実態が存在してはいないだろうか?

滅菌ガウンや手袋をして恰好だけは医療行為の体裁を取り、しかし使用する色素は従来と同じ海外からの輸入品で、滅菌されている保証も無く、なおかつ成分内容すら十分に把握していない、そのような施術が医行為の名に値するだろうか?

アートメイクがアメリカのように非医療者による施術とされたままであったなら、筆者はこのような嘆きを抱かない。しかし、本邦ではアートメイクは上述の経緯で医行為とされた。それならば医行為にふさわしく、従来のアートメイク施術に対する検証と修正がなされるべきである。

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こんな感じで徹底的に攻めた内容となっています。現状のエセ「医療アートメイク」を全部ちゃぶ台ひっくり返ししてやりたい、そんな意気込みで書いた本だから、まだまだ私も元気ですね。

対象は、これからアートメイク施術を学びたい、という看護師さん・女医さんたちですが、たぶん一般の方でも現状の何が問題なのかが、理解できると思います。税込み1100円の予定なので、良かったら買ってみてください。正式に出版されたらまた告知します。

NHKの語学講座では、芸能人が生徒役になっていっしょに学ぶという設定がよくあります。

それで、うちのスタッフの息子のサトピーと、相方の空くんを呼んで、生徒役になってもらって、この固い本を読み進めていくというyoutube動画を撮ることにしました。

この動画を視聴するだけでも、内容を理解できる(はず)というものです。

「医療アートメイク教本」というアカウントを新たに作って、これからそうだなあ、週一(努力目標笑)ペースで上げていきたいので、皆さんよかったらチャンネル登録お願いしますね。コメント欄も開放しておきますので一言残してくれたら励みになります。よろしくお願いします。