鶴舞公園クリニックとJMTA(日本メディカルタトゥー協会)のアートメイクとの違いについて

和子先生の最新作、「無影灯でブランコするミッフィー」。



最近のブログは、和子先生の作品紹介みたいになってきました。

さて本題です。

鶴舞公園クリニックでの正規のアートメイクの施術は、スタジオでやっている和子先生、典子先生、河村さん(メイクアップアーティスト)のチームによるものです。

実はこれとは別に、名古屋駅前のアイダージュ分院および鶴舞本院では、JMTA(日本メディカルタトゥー協会)所属の看護師さんたちによるアートメイク施術も行われています。

JMTAと私(深谷)との関係については、https://tclinic.jp/branch/artmake-policy.html に記した通りで、今後アートメイクは看護師たちによる施術が広まっていくであろうから、これを束ねる団体と、競合では無く協力していくことは、有意義であり重要だと判断して、二本立てで行っています。

JMTAの看護師さんによる施術においても、少なくとも当院においては、私が製作した色素のみを使って施術してもらっていますし、使用する医用材料についても、すべて私が責任をもって管理しています。

ただし、施術のテクニックやデザインについては、担当する看護師さんやJMTAの考え方を尊重して、介入はしないことにしています。料金も異なっていますし、受付の電話も異なります(スタジオは052-265-5228JMTA052-228-9572)。

同じクリニック内でやっているアートメイク施術なので、互換性があって当然だと考えるお客様もいらっしゃるようで、例えばJMTAの施術のリタッチをスタジオで希望されるといったことがあるのですが、上記のような事情で対応できません。まったく別と考えてくださいね。

鶴舞公園クリニックスタジオのHPは→こちら 

JMTA(日本メディカルタトゥー協会)のHPは→こちら  

私としては、自分の作製した色素に自信があるので、これが広まってくれるといいなという活動の一環なんです。どうかご理解ください。

(2022/04/07記)

アートメイク色素の安全性について(委員会質問)

和子先生が新しいリカちゃんの服を鉤編みで作りました。リカちゃんがどこにいるかわかりますか?

花売りリカちゃん。裸足でかわいそうです。

電柱のそばに立たせてみました。誰かお花買ってあげてください(笑)

ご安心ください。このあと、優しい女性にリカちゃん引き取られて行きました。

さて、表題の件です。

一月に、このような報道がありました。

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EU、タトゥーインク規制 健康被害防止、業界は反発

2022/1/5 07:24

欧州連合(EU)は4日、タトゥー(入れ墨)の着色用インクに使用される数千種類の化学物質を禁止する新たな規制を施行した。がんなどの健康被害を防ぐためだとしている。タトゥー業界は代替のインクを見つけるのが困難だと指摘し、産業全体に大打撃になると反発している。

欧州メディアによると、フランスやドイツ、ベルギーなどEU7カ国が既に国レベルで同様の規制を導入している。EUによると、域内人口の少なくとも12%がタトゥーをしているという。

EUの規制は、がんや遺伝子変異を引き起こす化学物質、刺激性の化学物質などが対象。EUの専門機関、欧州化学物質庁(ECHA)は「インクによる慢性的なアレルギー反応や炎症性の皮膚反応のほか、がんなどの深刻な健康被害も減らせる」と意義を強調している。

一方、タトゥー業界の関係者はロイター通信に「パン屋から小麦粉を取り上げるようなものだ」と語り、営業できなくなると懸念を訴えた。(共同)

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Official Journal of the European Unionに概要が記されています。

https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32020R2081&rid=7

私が製作しているアートメイク用色素は、アゾ色素は用いていないので、関係するとしたらカーボンブラックに含有されている残留PAHですが、これについては製作直後の2017年に分析した結果があって、EUの推奨する基準内におさまっています。

ですから大丈夫、規制の強化されたヨーロッパでも、堂々と通用します。

3月15日の「消費者問題に関する特別委員会」にて、熊野正士参議院議員(医師)が、アートメイクの質疑を行ないました。YoutubeにUPされていますので、ご参照ください。

https://www.youtube.com/watch?v=FdIHp0YvWic

「タトゥー、それからアートメイク、これに使用する染料・色素なんですけれども、これは人の皮膚の中に注入をするわけですけれども、この色素が実は日本では、医薬品等では無くて、雑品との扱いになっているようで、したがって薬機法の規制の対象外というふうにお聞きしています。一方で海外ではタトゥーとかアートメイクに使う染料・色素については、たとえばEUでは含まれる有害な化学物質に対して本年の1月から使用禁止等の規制が導入されています。日本においてはですね、これ薬機法では染料色素の規制が出来ませんので、このアートメイクの染料色素の安全性。これはどのように確保されていくとのお考えでしょうか?(5分22秒から)」

このように厚労省に対して質問されています。

まさに私が5年前に懸念して、自分でアートメイク色素を調整するしかないと結論するに至った、その通リの内容でして、よくぞ質問してくれました。

「アートメイクは医療行為なので、医師または看護師による施術を受けましょう」と掛け声は上がっていますが、その施術内容はというと、無資格者が施術していた内容の踏襲で、真に医療の観点から再構築されてはいません。単にビジネスチャンスと考えているとしか見えない風潮は実に嘆かわしいものです。

熊野議員と面識はありませんが、この機会に、日本でももっと色素の安全性について注目されるといいなと思いました。

(2022.3.18記)