リポレーザーで法令線を浅くする


 リポレーザーは、わたしの経験からは、体や腕の脂肪取りには、いまいちなのですが、お顔のちょっとした脂肪取りには向いています。(ヒアルロン酸の逆です。ヒアルロン酸はほんのちょっと肉を付けますが、リポレーザーは肉を削ります)
 法令線を浅くするリポレーザーの使い方について解説します。
 モデルはうちのクリニックの税理士さんです。もともと、わたしが国立病院勤務医であったときに、わたしが診ていた患者さんでした。最近独立して事務所を構えたので、クライアントを募集しています。うちのクリニックの経営が順調なのは、彼の貢献にもよります。よかったらご紹介しますよ。
 さて、法令線は、いくつかの成分で出来ています。主なものは「たるみ」と「しわ・へこみ」です。「たるみ」による法令線は糸での引き上げが向いてますし、「しわ・へこみ」の法令線は、ヒアルロン酸などのフィラーが向いています。もう一つの成分として、「周りのお肉に埋もれて出来る法令線」というのがあります。こういうのには、リポレーザーが向いています。
術前

 デザイン。青で囲まれた部分にリポレーザーをかけ、皮膚の裏側の浅い脂肪をあぶるように焼きます。裏側からアイロンをかけるようなイメージです。

 1ヶ月後です。ほんのちょっと法令線が浅くなりました。

 もう一度リポレーザーをかけてみます。

 2回リポレーザーをかけたあと1ヶ月後の写真です。

 このように、リポレーザーは、法令線を含んだ面全体を、裏側から熱を加えることで、平坦化させていきます。

 一回一回の効果は、判りにくい場合もありますが、3週間~1ヶ月毎に繰り返すことで、よりはっきりとした効果が出てきます。

 サーマクールやフォトRFといった、外部からの照射による引き上げ・引き締めの方法は、皮膚表面をやけどさせないように気をつけながらなるべく深くエネルギーを伝えようというものです。

 それに対して、リポレーザーというのは、針先からレーザーを出して、これを皮膚の裏側から当てることによって、皮膚表面には絶対にやけどを起こさず、しかも深いところを思う存分焼くわけです。

 コロンブスの卵的発想です。

 別の方です。前(一回目直前)→1ヶ月後の写真を並べました。

デザインです。

直後です。

 青色で囲まれた部分に、局所麻酔薬を、生理食塩水でうすめて、左右20mlづつくらい注射しますので、直後は腫れています。

 注射による腫れは翌日には完全に退きます。人によりますが、その後、腫れ戻し(リポレーザーで焼かれた炎症による腫れで、一週間くらい続きます)を経て、引き締まっていきます。
 (2007年12月26日記)

アプトス(2年後のbefore/after)


 よく、「アプトスやエックストーシスは、何年くらい持つのですか?」と聞かれます。ロシアの論文では、だいたい5年くらいということになってます。
 糸を入れることで、5歳くらい若返った印象になり、そのあと、また加齢とともにたるみは進むということです。糸を入れておけば、5年たっても10年たっても、糸が入ってない状態よりも、若く見えます。
 2年前にアプトス6本入れたかたの、術前、デザイン、術直後、2年後の画像です。
 
術前

デザイン

術直後

2年後

  2年後の画像を、術前の画像とくらべると、輪郭ラインの引き上がりが持続していることが判りますね。(法令線に対しては、この方の場合は、効きが薄いですが、あご肉の落ちには良く効いています)
  2年後のほうが、術前よりも、若く見えます。
 
 斜めからみたところです。
術前

術直後

2年後

  この方は2年たって、糸の追加ご希望でいらっしゃいましたが、多くの方は、半年とか一年以内に追加施術なさいます。
  それは、糸の効果が持たないからではなくて、ちょっと引きあがったことによって、さらなる「欲」が出てくるからみたいです。
  「欲」といっても、この場合は好い意味の欲ですね。「意欲」というか。
  老化というのは避けられない現実ですが、鬱々としていても楽しくありません。こういったプチ整形の結果を、前向きに人生に反映させられる方は、お客様としてお付き合いしていても嬉しいものです。
 (2007年12月20日記)

アプトスとエックストーシスの違い


 アプトスとエックストーシスは、引きあがり方が微妙に違います。ある方の写真の使用を御許可いただきましたので解説します(ご協力ありがとうございます)。 ↓術前です。

 ↓アプトス6本入れた直後です。引き上がっているのがおわかりでしょうか?
 頬のライン(顔の輪郭)を追うと、わかりやすいですよ。
 
 ↓半年ほどして、エックストーシスを追加してさらに引き上げることにしました。効果が数か月しかもたないということではなく、皆さん「欲」(良い意味のですよ)が出てくるんです)。アプトスの効果自体としては、直後の腫れも退いて、いい感じに仕上がっています。

 ↓エックストーシスの直後です。引き上がっているのがおわかりでしょうか? 引き上がり方が、前回とは違っている点も、ご確認ください。これが、アプトスとエックストーシスの引き上がり方の違いです。

 ↓2か月ほど経ったところです。エックストーシスは、1ヶ月でやや戻りますが、まったく元に戻るわけではありません。直後よりは落ちますが、同じ傾向の、シャープな感じの引き上がりが残ります。これに対して、アプトスの引き上がりは、やや丸みを帯びた、ふっくらした引き上がりです。 もっともデザインによりますけどね。一般的に言うと、です。

 アプトスのbefore/afterを並べてみました。写真をクリックすると、画像が大きくなって、わかりやすくなります。

 次にエックストーシスのbefore/afterです。
 並べてみると、いっそう、よくわかりますね。(頬の輪郭を追ってみてください)

 アプトス施術前後(真ん中は、糸を入れるデザイン)を斜めからみたところです。
 アプトス=ふっくら系の引き上がり、の意味がわかるでしょ?


 こちらは、エックストーシス前後の斜めから見た写真(真ん中は糸のデザイン)。
 エックストーシス=シャープな引き上げ、です。
(2007年12月14日記)

上まぶたのくぼみと眼瞼下垂(その2)


 上まぶたのくぼみと眼瞼下垂に対する、タッキング法の症例をもうひとつ。 この施術のメカニズムについては、 (タッキング法・その1) をご参照ください。

 この方は、まだお若いですが、典型的な眼瞼下垂の症状です。上まぶたにくぼみがあり、二重の幅は広いのですが、上まぶたが黒目にかぶさっているため、眠たげな印象を与えます。ご自分で「ガチャピンの目」と表現されていました。

 タッキング法施術直後です。直後には、このように、びっくりしたような大きな目になることもありますが、これは、瞼板を引上げようと頑張っていた筋肉が、まだ新しい状況に慣れていないためで、半日もすれば落ち着きます。

 一週間後に来ていただきました。
 下垂はきれいに上がりましたが、左目(向かって右)の二重のラインが狭いです。

 なので、これは、埋没法で二重を追加しました。二重の幅に左右差がありますが、これは、二週間くらいでなじんでかぶさってきて左右揃うはずです。

 斜めから見たところ。
 術前です。

 術直後。

 一週間後。

 二重にした直後。

この方、まだお若いし、これで絶対人生変わりますよ。
どんな良いことが待っているか、楽しみですね。
(2007年12月12日記)

上まぶたのくぼみ(タッキング法)

 まずは、上まぶたの解剖をご覧ください。

 画像は、上まぶたの断面で、下のほうに2本あるのが、まつげです。

 Aは、脂肪、Cは、瞼板といって、やや硬い支持組織です。Bは眼瞼挙筋といって、瞼板とくっついていて、瞬きのたびに、これを引上げます。

 加齢とともに、CとBの結合は、緩んだり部分的に切れたりします。すると、Cは下がり(眼瞼下垂)、Bは奥に引き込まれます。Aの脂肪は、Bの前面にくっついているので、いっしょに引っ張られて、その結果、眼の上がくぼみます。

 タッキング法というのは、CとBを、二重まぶたの手術に使うのと同じ、細い糸で、結びつけてやるという手術です。

術前

術直後です。

 この手術は腫れません。内出血も目立ちません。まぶたの裏側ですべての操作を行うからです。

 下の写真は半年ほどたったところです。正しい位置に糸が掛かっていれば、このように戻ることもありません。効果は永続的です。
 

術前・直後・半年後の写真を縦に並べてみました。

 眼の裏側から操作するといっても、眼球をいじるわけではないので、視力に影響はもちろんありません。まれに糸の端が結膜を刺激してチクチク痛みがあったり、異物感が出ることがありますが、糸を抜いて新しく結びなおせば、すぐに治ります。
(2007年12月12日記)

目袋(下まぶた)・その1

 モデルさんは、うちのスタッフが、いつも通っている整体の先生です。どうもお世話になっております。右目(向かって左)の下まぶたの外側に、直径1cmほどの腫瘍ができました。

 斜めから見るとよくわかります。邪魔なので取りたいわけですが、良性のものなので、ただ取ればいい、というわけにはいきません。どうせ取る(切る)なら、綺麗に仕上げたいものです。

 とくに左目(向かって右)に、目袋(加齢にともなう脂肪のふくらみ)が明らかなので、左右の下瞼の目袋取り手術を行うことにしました。
 このとき、下瞼の皮膚を開くので、右目の腫瘍は裏側からアプローチして取ってしまおう、という作戦です。

 一週間後、抜糸したところです。

右目の腫瘍は裏側から取り、表面の皮膚は残しました。

左目の目袋は大きかったので、少し内出血が見られます。

半年ほどあとの写真です。傷も落ち着き、目袋が取れた分、若返りました。

腫瘍の再発もありません。

すっきりした目元になりましたね。


ということで、「転んでも(下まぶたに腫瘍ができても)、ただでは起きない」という好例でありました。

 腫瘍ができたおかげで、若返り手術に踏み切れたと考えれば、いいわけです。
 そういう、前向きな姿勢って、いいですよね。
(2007年12月4日記)

アプトス+リポレーザー+エックストーシス


 プチ整形の技法は、どれか一つで劇的に変わる、というものもありますが、多くは、少しずつあちこちに効かせて、いつのまにか、「あれ?若返った?」という印象を与えるものです。
 この方は、アプトス→リポレーザー→エックストーシスと、数ヶ月毎に順番に施術していきました。
 なお、この方に限りませんが、こういった写真のネット上での使用は、必ずご本人の承諾を得ています。診察のときに撮影した写真が勝手に使われるということはありません。

施術前(before)です。
 
アプトス6本のデザインです。

アプトスを入れ終わった直後。法令の細かいシワにはヒアルロン酸も打っています。

半年ほど経ったところです。口周りのたるみに対して、リポレーザーを行います。

リポレーザーを行う予定のエリアを示しています。

2週間後、口周りの水っぽいたるんだ脂肪が焼かれて引き締まりました。

次にエックストーシスを入れます。耳前で交差させるデザインです。頬にアプトスも一本づつ追加します。

エックストーシス直後です。

1月経ちました。

最初の写真と並べて、比べると、違いがよくわかります。一つ一つの施術の前後では、変化は些細ですが、くりかえし、組み合わせていくことで、他人に気が付かれないように上手に若返りができるというわけです。

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 笑い話を一つ。(上の写真の方の話じゃないですよ)
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「先生、ぜったいに主人にばれないようにしたいんです!」
「わかりました。」
(次にいらしゃったときに)
「どうでしたか?」
「先生、せっかくやったのに、主人が気が付いてくれないんです!」
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 いや、笑い話というには、せつない女心というものなんでしょう。
 そのあたりの機微に、どうお答えできるかが、わたしたちプチ整形屋さんの腕です。
 お褒め頂くことももちろん多いですが、「物足らない」とか「変わりすぎだ」とお叱り頂くことも、正直なところ、ときにございます。
 職人仕事ですからね。日々是精進です。
(2007年12月4日記)