肝斑の治療・その2


 肝斑の治療(1)の続きです。
 1~2ヶ月の休薬ののち、2クール目に入ります。最初は再び、トレチノインとハイドロキノンの重ね塗りから入ります。

 ほどよく赤みが出る程度の濃度のトレチノインを使います。1クール目に使っていたのと同じ濃度でいいはずです。

 注意深く写真の経過を見ていると、お気付きになるかと思いますが、肝斑は、最初の濃い部分が薄くなるにつれて、周囲に拡がっていって、治療はそれを追う感じになります。最後に、治療が肝斑の拡がりに追いついて、それ以上拡がらなくなります。

 ある程度のところで、トレチノインを止めてハイドロキノンだけにします。

2クール目が終わりました。

 治療前(左)、1クール終了後(中)、2クール終了後(右)と、写真を並べてみました。

 ゆっくりと肝斑が薄くなっていく様が、わかりやすいかと思います。 (写真をクリックすると拡大します)
 1クールの治療には、だいたい、3~4ヶ月かかります。非常にゆっくりとした、根気の要る治療法ですが、上手にやれば、現時点では、肝斑に対して、いちばん効果的な治療法(現在の見解は違います:追記参照)ではあります。

 赤みを出すのがお嫌な方は、ハイドロキノンだけを付けていても、それなりに薄くはなっていきます。(トレチノインは、皮膚のターンオーバーを早める=皮膚の入れ替わりを早めて、はやく結果が出るようにする、働きだからです)
 最初のうち、通院で見せていただいて、だいたいのコツがわかったら、お薬だけ宅急便でご送付というのが現実的でよろしいかな、と思います。
(2007年12月2日記)
 
 (追記)最近は、トレチノインとハイドロキノンによる肝斑の軟膏治療は、まったくやらなくなりました。
 【肝斑の治療・その3】や【肝斑の治療・その4】で示すレーザーカーボンピーリングによる治療効果のほうが、長持ちするし、赤みや皮剥けといった症状も出なくて満足度が高いことがわかったし、他施設からの報告も出て確証が得られたからです。
「トレチノイン・ハイドロキノン軟膏治療もやっていたが、その上でレーザーカーボンピーリングのほうが優れていると結論したのだ。」ということの記録または証拠的な意味で、この項は残してあるって感じです。