上まぶたのくぼみ(タッキング法)

 まずは、上まぶたの解剖をご覧ください。

 画像は、上まぶたの断面で、下のほうに2本あるのが、まつげです。

 Aは、脂肪、Cは、瞼板といって、やや硬い支持組織です。Bは眼瞼挙筋といって、瞼板とくっついていて、瞬きのたびに、これを引上げます。

 加齢とともに、CとBの結合は、緩んだり部分的に切れたりします。すると、Cは下がり(眼瞼下垂)、Bは奥に引き込まれます。Aの脂肪は、Bの前面にくっついているので、いっしょに引っ張られて、その結果、眼の上がくぼみます。

 タッキング法というのは、CとBを、二重まぶたの手術に使うのと同じ、細い糸で、結びつけてやるという手術です。

術前

術直後です。

 この手術は腫れません。内出血も目立ちません。まぶたの裏側ですべての操作を行うからです。

 下の写真は半年ほどたったところです。正しい位置に糸が掛かっていれば、このように戻ることもありません。効果は永続的です。
 

術前・直後・半年後の写真を縦に並べてみました。

 眼の裏側から操作するといっても、眼球をいじるわけではないので、視力に影響はもちろんありません。まれに糸の端が結膜を刺激してチクチク痛みがあったり、異物感が出ることがありますが、糸を抜いて新しく結びなおせば、すぐに治ります。
(2007年12月12日記)