私が考案したPRP作成法が医学論文になりました

 
http://journals.lww.com/prsgo/Abstract/publishahead/A_New_Economic_Method_for_Preparing_Platelet_rich.99832.aspx
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 Plastic and Reconstructive Surgery(PRS)というのは、形成外科で一番メジャーな雑誌です。最近この雑誌のWeb版が出来ました。著作権の縛りが緩く、誰でも無料でdownloadして閲覧ことの出来るopen access journalです。私が考案したPRP作成法を投稿してみたら、なんとacceptされました。いやー自分で言うのもあれですが、この作成法って、上手い工夫だからなー。解る人には解ります。
 実際の作製の動画は→こちら

  ここ半年で、英語論文3本書きました(ひとつはあさこ先生が著者です)。昔は臨床が忙しくて、論文なんてものは大学で上のポストを目指す人が書くものだと思っていたのですが、開業して自分のペースで診療できるようになると、せっかく自分で考えて工夫したことは論文にまとめて発信しよう、という気持ちになるものですね。
http://jddonline.com/articles/dermatology/S1545961614P0259X/1#close    http://www.scirp.org/journal/PaperInformation.aspx?PaperID=46333
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 話は変わって、先日、Jリーグの某サッカーチームを担当する整形外科の先生が、うちのPRP作成法の見学にいらっしゃいました。スポーツ医学でも、痛んだ靭帯や関節にPRPを注射しますからね。

 その先生、作成過程で使用される薬剤(ACD-AやPGE1など)のことを、細かく気になさいます。なぜかと思って聞いてみたら、スポーツ医学においては、その薬剤がドーピングとして規制されているものに当たらないかが、非常に重要だそうです。なるほど。
いろんな観点があるものです。
 スポーツ医学としての応用においては、その先生の印象としては、「効くときには場外ホームランのように効く、効かないときはまったく効かない。」だそうで、効果のばらつきは、ひょっとしたら作成法(自分が使っているキット)に問題があるのではないかと考えて、私の方法をネットで見つけて、わざわざお越しいただきました。
 整形外科領域では、どういった疾患というか病態に効くかと尋ねたら、「ステロイド(副腎皮質ホルモン)が効きそうなものには、だいたい有効(の可能性がある)と考えていい」そうです。なるほど。
 痛んだパーツに対する修復作用があるので、その結果として抗炎症効果があるってことなんでしょうね。

 さて、私の方法で一回のPRP作成法において用いる医用消耗品と薬剤を、価格とともにリストアップしてみました。 

 ちょうど1500円くらいです。薬剤を分注しておけば、もっと安くなるでしょう。市販のPRP作成キットは1セット数万円です。遠心分離機や試験管ミキサーといった器械類は別ですが、これも数万円からせいぜい20万円以内で揃います。私の場合は、これを、初回5万円、二回目以降は一回3万円で施術しているわけで、技術料・手間・期待される効果などを考えると、私の感覚ではだいたい妥当な金額です。

 私がひいきにしていて時々行く日本料理屋があるのですが、とても小さな店です。さほど高級そうにも見えない。しかし出てくるものは、確かに旨い。御主人のモットーが、「こんな小さな店で、なんでこんな手の込んだ本格の和食が出てくるのだ、っていうギャップがうちの方針。大きな店を構えるだけの力量はいろいろな意味で自分には欠けているが、お客が驚いてくれれば自分としては満足。」ということのようです。自分とよく似た考え方だと思いました。
 女性が見た目の若さ美しさにこだわるように、男性は生き方の美学にこだわります。自分の持っている能力を最大限効果的に演出して格好付け続けたいってことですね。
 
写真は、イメージ画像ではなく、文中の料理屋さんの画像をネット検索して拾ったものです。さて、どこでしょう(笑。
(2014年6月7日記)