中間分子量含有ヒアルロン酸化粧水の若返り効果の検証が論文になりました


 「中間分子量ヒアルロン酸」は、私が製作販売している化粧品の主成分です。現在のところ、これを使用した化粧品は日本では他にありません。製品名を明示すると、ブログ記事が薬事法第86条(未承認医薬品の広告禁止)に抵触するおそれがあるので、製品名を伏して一般名である「中間分子量ヒアルロン酸化粧水」に置き換えて記事を書いています。関心のあるかたは検索あるいはクリニックHPから探してくださいね。


中間分子量含有ヒアルロン酸化粧水の製造販売を開始して1年になります。とくに高齢の方の若返り効果が期待できるはずですが、実際にどの程度の効果が出るものなのか、検証してみました。

http://www.scirp.org/journal/PaperInformation.aspx?PaperID=46333 
(画像をクリックするとジャーナルのサイトに飛びます。Open access journalなので、全文無料でダウンロードできます)

以下、かいつまんで、内容を解説します。やや専門的なお話になりますが、ご容赦ください。
私が作成した中間分子量含有ヒアルロン酸化粧水を首に一日2回、2週間外用してもらいました。その前後で皮膚小片を採取し、免疫組織染色と言う手法で、どのような変化が生じているかを確認しました。

結果は表の通りでした。前後で染色が弱くなっている場合は > 強くなっている場合は < 変わらない場合は = で表現しています。

 
PCNAというのは細胞の分裂増殖のマーカーで、filaggrinは角層のバリアを構成する主要タンパク質です。11βHSD1はステロイドを活性化する酵素、11βHSD2は不活性化する酵素です。なぜ11βHSD1/2を調べたかと言うと、表皮細胞はステロイドを自ら産生しており、それによって厚さや分化を自己調節していることが近年明らかにされているからです。11βHSD1/2比が増加すると、表皮は自らの産生するステロイド過剰に陥り、萎縮につながると考えられます。加齢による表皮の萎縮が、11βHSD1/2バランスと関係していそうかを推測するために、いわば「おまけ」の実験として染色してみました。

実際の染色像は、たとえばcase1の場合、下図のようでした。

a: PCNAb: filaggrinc: 11βHSD1d: 11βHSD2、それぞれ上が外用前で下が外用二週間後。PCNAは陽性細胞(核が茶色に染まった細胞)の密度が増えており、filaggrinは増加している。11βHSD1は不変で、11βHSD2は基底層付近で濃くなっている。上の表は、これをPCNA <filaggrin <11βHSD1 =11βHSD < というように数学記号を用いて表現したということです。

表を見直すと、PCNA < 10例中8例、filaggrin < 10例中6例、11βHSD1 > あるいは11βHSD1 < 10例中8例で確認出来ました。

以上から、中間分子量含有ヒアルロン酸化粧水は、(1)PCNA 細胞陽性やfilaggrinを増加させること(=萎縮した表皮を回復させること)、(2)そのメカニズムとして11βHSD1/2のバランスを介している可能性があること、の2点が言えると考えられました。

 免疫染色などにかかわる費用は私が負担しましたが、論文著者は、私ではありません。私はこの化粧水の製作者ですから、私が著者となったのでは、説得力が低下しますからね。外部研究の評価を受け付けている名古屋市内の総合病院の倫理委員会で承認してもらって、そこの病院に勤務している先生に評価と執筆をお願いしました。

ぶっちゃけ、あさこ先生が著者です。あさこ先生、午前中は総合病院の勤務医やってるので。
あさこ先生
これだけ、組織学的にもはっきりと、皮膚の若返り効果が確認された化粧品って、ほかに私は知りません。真面目な話、かなり画期的なんですよ。

(2014年5月28日記)