私が考案したPRP作成法が医学論文になりました(続き)


 昨日の記事(→こちら)の続きです。
まずは、私が考案したPRP作成法の論文が掲載された雑誌の紹介です。

http://journals.lww.com/prsgo/Abstract/publishahead/A_New_Economic_Method_for_Preparing_Platelet_rich.99832.aspx
(画像をクリックすると掲載先に飛びます。) 

 さて、「最近、ブログに症例写真が出てこない、物足りない」とご不満の方もいらっしゃるかと思います。それで今日は、ヒアルロン酸注射とPRP療法との合わせ技についての症例を供覧しますね。

 下の写真の方の法令線と口周りの小じわです。ヒアルロン酸は大きな凹みを持ち上げることは出来ますが、細かい小じわや肌理(きめ)といった細かい仕事に向いていません。PRPはその逆です。それで、法令線の深い部分にヒアルロン酸を、口周り一帯にPRPを注射してやります。


 ヒ アルロン酸の効果は直後から明らかです。下の写真は2週間後です。もっともこれだけ深いと、数回に分けて注入しなければ、凹みが回復しません。PRPの効 果はまだ出ていません。PRPの効果が出るのは2~3ヵ月後からです。先回同様、ヒアルロン酸とPRPを注射しました。


 下の写真は2ヵ月後です。法令線はだいぶ埋まってきましたが、口横の小じわなどはくっきりとしたままです。そろそろPRPの効果が出てくるはずです。この日も再びヒアルロン酸とPRPを注射しました。




 下の写真は4ヵ月後です。この方の場合は、ここでPRPの効果がはっきりと現れてきました。PRPをとても気に入っていただけたようで、この日はPRPだけ注射。


 6ヵ月後です。この日もPRPのみ注射。 私が低価格の自作キットを使って、初回5万円、二回目以降一回3万円で施術している意味がわかるでしょう?効果が出てくるまでにタイムラグがあるので、間違いの無いよう、一歩一歩確認しながら、複数回の施術で結果を出していくわけです。


 下の写真は1年後です。PRPの効果はだいたい8ヶ月くらいコラーゲンの自己産生が続き、そのあと落ち着きますが、出来上がったコラーゲンは数年間保たれるようです。
  

 この方、両頬のたるみを糸(スレッドリフト)で引き上げていれば、さらに若返ることができるのにな、とは思います。しかし、御本人とても満足していらっしゃるので、まあいいでしょう。

 PRP療法は、一部の医師が薬剤としての成長因子を混ぜるという使い方をしたために、評判を落としてしまいましたが、本当は穏やかでよい施術なんですよ。
 
 ヒアルロン酸や糸(スレッドリフト)と上手に組み合わせてやると、さらに良い結果が得られます。ヒアルロン酸注射が下手で、糸の施術もろくに出来ない医者が、ヒアルロン酸や糸の施術をけなしてPRP療法だけが優れているような宣伝をしているようですが、騙されないように。だいたいそういう医者は、過去にPRPに成長因子を混ぜて注射して、制御不能のぼこりを何人も作っています。一回のPRPだけで全て済ませようと無理をするからそういうことになる。

 全ての施術には特性があり、それぞれの長所を生かして上手に組み合わせてこそのプチ整形です。プチ整形とは賢く付き合いましょう。
(2014年6月10日記)