ピコ秒レーザーはなぜ低出力でしみが取れるのか?(その4)


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前回(→こちら)、前々回(→こちら)、前々々回(→こちら)、前々々々回(→こちら)、の続きです。
ピコレーザーのピークパワーのデータはないかなあと思って、ネットで検索してみたら、見つかりました。

エンライトン532nmで0.4ギガワット(0.4×10^9 W/cm^2)、サイノシュア社のピコシュアで0.36ギガワットです。フルエンスで2.0J/cm^2出せるからエンライトンを買ったんですが(→こちら)、ピークパワーは同程度なんですね・・。

せっかくデータ見つかったし、先回ヤフー知恵袋で神様が降臨して道しるべ授けてくださったんで、自分でも計算してみました。

ピコ秒レーザー:フルエンス 0.5J/cm^2, パルス幅 750psの場合、完全な矩形波であるとすれば、ピークパワーというか光強度は、0.5J/cm^2÷750ps= 6.7×10^8 W/cm^2 になります。上表の数字とほぼ同じです。
一方、ナノ秒レーザー:フルエンス 2J/cm^2, パルス幅 6nsの場合、同様に完全な矩形波であるとすれば、ピークパワーは2.0J/cm^2÷6ns= 3.3×10^8 W/cm^2 になります。C6の波形はトップハットですから矩形に近いはずです。
同じフルエンスでも波形がガウシアンのMedLiteⅡでは、ピークパワーが少し高くなるはずです。


ただし、ガウシアン波形の場合、中央部のピークパワーは高くなるのですが、周辺部が低くなります。
エンライトンでしみ取りをしてみて、感じるのは、直径5mm以上のスポットサイズ(MAX8mmまで設定できます)になると、周辺部が中心部に比べてホワイトニングが起きにくくなる点です。たぶんガウシアンなのでしょう。ですから、エンライトンの場合、スポットサイズはなるべく小さくして、大きな面積を取るときには、Hzを増やして施術したほうが良いと思います。

エンライトンを使用してみての経験上、ホワイトニングの程度が、直径2mmのほうが、直径8mmよりもはるかにしっかりしているので、おそらく上表のピークパワー値もまた、直径2mmでの値だと思われます。
私は、C6とMedLiteⅡを持っていたのですが、しみを取るときは、経験的にMedLiteⅡのほうが良さそうだと思って使ってきました(→こちら)。またMedLiteⅡは初期モデルなので、大きなスポットサイズで強いフルエンスが出ません。Hzは出せるので、2mmのスポットサイズでHzを多くして(5または10回/秒)面積の大きなしみを取ってきました。いま、振り返ってみると、理にかなったことをしていたのだなと感じます。

話を戻して、上表のエンライトン532nmのピークパワーは、0.4ギガワット(0.4×10^9 W/cm^2)です。この光強度で、クーロン爆発は起きないでしょうか?
水素原子の1s 軌道の電子が原子核から感じる電場は、5×10^9 V/cmです(→こちら)。ちなみに、なぜ水素原子を引き合いに出すかというと、一番小さな原子なので、クーロン爆発も最小のエネルギーで生じるだろうからです。
E = 2.74×10^3 √I の計算式を使って、電場(E)から光強度(I)を計算すると、5×10^9 V/cmは3.3×10^12 W/cm^2 に当たります。
0.4×10^9 W/cm^2 と 3.3×10^12 W/cm^2 では、約1万倍の開きがありますね。クーロン爆発は起きなさそうです。
 
キュテラの方のお話しだと、750psというパルス幅は、技術的限界で、フルエンスを同じにしてこれ以上パルス幅を短くすると、プラズマが発生してしまうのだそうです。プラズマっていうのは、原子核や電子が自由に飛び回っているような状態のことをいいます。しかし、メラニン顆粒がプラズマになってしまうと、何か悪いことがあるのかなあ?
クーロン爆発未満だと、光励起の結果、水素の移動などの光化学反応が起きるようです(たとえば→こちら)。
メラニン顆粒は、分子構造が変化して無色になったり、機能を失って異物化して炎症反応を惹起して表皮細胞ごと痂皮として排除されるのでしょう。

いったんまとめますと、レーザーでしみを取るのに、現時点で最適なのは、ピコレーザーの小さなスポットで、面積が大きい時には、スポットサイズを大きくするのではなくてHzを増やす、というスタイルだと思います。要は、フルエンスの数字にとらわれずに、ホワイトニングがしっかり出るのを確認しましょう、という話なんですけどね。その経験的な法則が理論で裏付けられた、という話です。
 
しかし、こうなると、C6, MedLiteⅡ,エンライトン各レーザーの、すべてのスポットサイスのピークパワー実測して確認したくなってきました。実はキュテラ本社の開発部に、協力を仰いでいます。関心持ってくれるといいんだけどなあ。

 ☆―――――☆―――――☆―――――☆―――――☆

固い話が続きました。エレナさんオリガさんタチアナさんのコーラスどうぞ。今夜名古屋市内のお店で舞台に立つのですが、その前にクリニックの待合でアカペラで一曲歌ってもらいました。
もともと三人、音大出てトリオ組んだのですが、折からのソ連崩壊、いろいろあったことでしょう。そのあたりに思いを馳せながら、お酒飲んでこようと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=rTgUBc-M3ck 

ちなみにこの歌は「ウラルのグミの木(Уральская рябинушка) 」と言って、рябинаという花が二人の若者に恋をされてどちらが良いのか思い悩むという内容の歌詞です。たぶんロシアの女性は歌うと幸せな気持ちになるんじゃないかな。


音楽も、歌詞の意味知ってると知らないでは、感傷も違ってきます。レーザーも、仕組みを知って使うのと、知らずに使うのとでは、やっぱり違いますよ、って落ちで(^^)。
(2017/06/16記)

Cuteraのアメリカの開発部門から回答がきました。具体的なデータは公表しないでくれと言われているので出来ませんが、Enlightenの532nm,0.5J/cm^2とMedLiteC6の2.0J/cm^2のピークパワー値は、私の予想通り、かなり近いです。
パルス幅が組織の熱緩和時間より長い(熱で効果を出す)脱毛レーザーのような場合には、指標はフルエンス(J/cm^2)でいいですが、パルス幅が組織の熱緩和時間より短い(電場で効果を出す)ナノ秒レーザーやピコ秒レーザーでは、パネルの表示はピークパワー(W/cm^2)であるべきなんでしょうね。
ピークパワー値が同じならば、フルエンスは小さいほうが熱損傷が少ないから、しみ取りに向いています。すなわちピコ秒レーザーのナノ秒レーザーに対する優位性が明確になります。

ピコ秒レーザーはなぜ低出力でしみが取れるのか?(その3)


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「Yahoo知恵袋」で質問してみました。
賢い方が登場して答えてくれて、すーごっくよく解ったので、転記しておきます。
数式がたくさん出てきますが、飛ばして文章だけ読んでいっても、雰囲気は解るんじゃないかと思います。
まずは私の「質問」です。

=====
ピコ秒レーザー(パルス幅750ps)とナノ秒レーザー(パルス幅6ns)についての質問です。
両レーザーで色素(メラニン)を分解するとき、経験的に、ピコ秒レーザーの0.5J/cm2のフルエンスによる効果が、ナノ秒レーザー2.0J/cm2のフルエンスによる効果と同等のようなのですが、フルエンスが違うのに効果が同等である理由がわかりません。
ネットで調べて、高エネルギーレーザーによる効果として、非線形吸収という概念があり、電子が分子から剥ぎ取られる結果クーロン爆発が起こってメラニンなどの分子は分解される、この非線形吸収は電場(E)の二乗が関係する、といったことを読みまして、またW=qEdといった式も見つけたので、両レーザーによるメラニン分解の効果は、フルエンスではなくてパルスのピークパワー(W)によって規定されるのだろうか?と考えました。両レーザーのピークパワーの比は、単純に計算して0.5/0.75:2.0/6=2:1と、フルエンスの比4:1よりは1:1に近いです。実測すればさらに1:1に近いかもしれません。
 一方、発生する熱は、ジュールが関係するでしょうから、フルエンス比の4:1と考えると、熱の発生を出来る限り少なくしてメラニンを分解したいという観点からは、ピコ秒レーザーが優れていると言うことになります。
 以上の私の考え方は、おかしいでしょうか?おかしい点がありましたら、なるべく解り易くご教示いただけましたら助かります。よろしくお願いいたします。
=====

 
これに対する回答として、

=====
的外れかも知れませんが光→熱エネルギーへの変換、特に温度上昇がメラニンを分解できる温度に達するかどうかにあるのではないかと思い、もしかして以前に調べたことが役に立つかもしれないと考え回答しています。
パルスエネルギーを金属表面に照射後の表面・内部の温度上昇を調べたことがあります。 厳密に計算することは困難なので概略を知る目的で理想状態の熱伝導方程式から求めました。
熱伝導方程式は、
∂T(z,t)/∂t = χ(∂^2T(z,t)/∂z^2)+P(t)/ρc
です。
ここで、
χ:熱拡散係数(m^2/sec) = k/ρc
k:熱伝導率(W/m K)
ρ:密度(kg/m^3)
c:比熱(J/kg K)
P(t):表面で吸収されたエネルギーパワー(W/m^2)
です。
条件は、深さのz方向のみに熱伝導するとしていること、パルス形状は矩形であることなどです。
この条件での解は、パルス幅をτとして、
0 ≦ t ≦ τにおいて
T(x,t) = (2P/k)√(χt) ierfc(z/√(4χt))
τ < t において
T(x,t) = (2P/k){√(χt) ierfc[z/√(4χt)] - √[χ(t-τ)] ierfc[z/√(4χ(t-τ))]}
ここで
ierfc(x) = (1/√π)exp(-x^2)-x(1-erf(x))
erf(x) = (2/√π)∫[0,x] exp(-s^2)ds
です。
この曲線は、深さzを固定して時間tによる温度変化をみると指数関数に類似する曲線で上昇し、最大温度に達したのち指数関数に類似する曲線で下降します。
照射後の表面の最高温度Tmは、
Tm = T(0,τ) = (2P/k√π)√(χτ)
となる。
今、波長や対象物の条件は同一とし、パルス幅と入射パワーとの関係のみに着目すると、
最高温度はP√τ = (F/τ)√τ = F/√τに比例するのでこれを材料として比較する。
以下は概算です。
ピコ秒レーザー:フルエンス 0.5J/cm^2, パルス幅 750ps
Tp = 0.5/√(750×10^(-12)) ≒ 18000
ナノ秒レーザー:フルエンス 2J/cm^2, パルス幅 6ns
Tn = 2/√(6×10^(-9)) ≒ 26000
最高温度はピコ秒:ナノ秒 = 1:1.4となります。
この計算はいろんな条件を付しての概算ですが両レーザーによる温度上昇がかなり似ているので、メラニンの分解にほぼ同等の効果があると見做せる。
すなわち、(フルエンス/パルス幅の平方根)が判断材料になるのではないでしょうか。
ただし、これはあくまでも温度がメラニン分解の主因であるとの仮定によるものですが。
=====


この方は、金属のレーザー加工がご専門なのでしょうか。金属は単一元素ですから熱だけを考えればいいですが、有機物の分解の場合は、分子の変化が関係してきます。
しかし、とても興味深い回答です。
イラストにすると、こんな感じです。

レーザーを照射したときの表面温度が、フルエンスのみではなく、パルス幅(の平方根)によっても規定されるとすれば、前々々回(→こちら)で紹介した、感熱紙に両レーザーを当てた実験結果の謎が解けます。
フルエンス 0.5J/cm^2, パルス幅 750psのピコレーザーと、フルエンス 2J/cm^2, パルス幅 6nsのナノレーザーの黒変の程度はほぼ同じでした。私は温度上昇や組織のやけどと言うのは、フルエンスに比例するような気がなんとなくしていたので、感熱紙の結果が不思議だったのですが、まさにそこが説明できます。
 
私のお返事です。
=====
ありがとうございます。1:√2は1:2よりも1:1に近いです。
実は、両レーザーをレジの感熱紙に当ててみたのですが、フルエンス 0.5J/cm^2, パルス幅 750psとフルエンス 2J/cm^2, パルス幅 6nsの黒変の程度はほぼ同じでした。私は温度上昇や組織のやけどと言うのは、フルエンスに比例するような気がなんとなくしていたので、感熱紙の結果が不思議だったのですが、そこも説明できそうですね。
 素人の質問で恐縮なのですが、メラニン分子のクーロン爆発というのは、フルエンス 0.5J/cm^2, パルス幅 750psで起き得るものなのでしょうか?(自分で計算してみろと言われそうですが自信がないです)もし起きるとしたら、それに使われたエネルギー分は、組織の熱上昇からは差し引かれる=やけどが少ない、と考えてもいいでしょうか?
感熱紙の黒変は、まさに説明つくと思うのですが、メラニンの分解が最高温度に依存するというところが、やはりどうもひっかかります。
なかなか相談できる人がおりません。よろしくお願いいたします。
=====


とても親切な方で、この追加質問にもお返事くださいました。それも痒いところに手が届く様に。こういうのを「神」というのでしょうか?本当にありがとうございます。

=====
回答をした手前少々責任を感じて調べてまとめてみました。 非専門なのであくまでも参考程度としてください。

分子がレーザー光の多光子で励起、イオン化(共鳴多光子イオン化)しさらに光励起されて分解し、生成されたフラグメントがさらに光を吸収して小さいフラグメントに分解されるという過程がメラニン分解過程のようです。励起状態中に次の光子が吸収されなければならないということから、レーザー光の強度(W/cm^2)の強さが支配的だろうと思われます。温度は電子励起のあとの電子-格子相互作用を通じて熱エネルギーが格子に伝わるもので副次的な現象と見るべきもののようです。(以前のわたくしの目的は金属表面の溶融であったのでその目的にはあっている。)

レーザーの光強度I [W/cm^2]と光の電場の振幅E [V/m]には次の関係がある。
E = 2.74×10^3 √I
レーザー光強度が強くなって10^12~10^14 W/cm^2では電場が強いので共鳴準位がなくてもイオン化する非共鳴吸収が起こる。

さらに高強度が強くなり10^15 W/cm^2になると電場Eは8.6×10^10 V/mに相当する。レーザー場からの強い電場擾乱によって生成した分子の多価イオンは、電荷間の強いクーロン反発によって速やかな 解離=「クーロン爆発」を起こす。クーロン爆発は光励起によって原子間結合を直接に切断する現象です。
750 psのピコ秒レーザーならば、7.5×10^5 J/cm^2のフルエンスが必要となり実現は難しい。クーロン爆発にはフェムト秒レーザーが不可欠となります。
パルス幅がピコ秒の時間を境にして、レーザーと物質との相互作用は熱的過程と、非熱的過程の領域に区分されるそうです。
時間の境界は、電子エネルギーから格子イオンへの緩和時間です。その時間が金属では~1psということです。フェムト秒レーザーでは熱的影響をうけない。特に金属への微細孔加工でフェムト秒レーザーでは孔周辺が加熱されないのでバリのないきれいな孔が開けられる。


以上調べた結果では、多光子共鳴吸収によるイオン化、フラグメント化がメラニン分解の過程であるようです。これによると、「フルエンス/パルス幅」が大きいことが必要です。
ピコ秒レーザー:ナノ秒レーザー = 2:1
でピコ秒レーザーが勝っているようです。
(勝っているほうの)ピコ秒レーザーでも、光強度は6.7×10^8 W/cm^2であるので、クーロン爆発の条件には達していません。

以下は参考にしたサイトです。http://optipedia.info/laser-handbook/laser-handbook-8th-section/36-5/
https://www.ims.ac.jp/public/docs/304.pdf
http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2013_07/jspf2013_07-493.pdf
=====
 
屋上屋を重ねるというか、蛇足と言うか、私なりにポイントをまとめますと、

1) 両レーザーによるメラニン(有機物)の破壊は、光励起によるイオン化・フラグメント化が主。(私はたぶん、光励起によるイオン化・フラグメント化と、クーロン爆発とを混同していたのだと思います)。
2) 光励起は、光の作る電場Eによって起こり、Eは光強度(I)から導かれる(E = 2.74×10^3 √I)。
3) 従って、メラニンの破壊は、レーザーパルスのフルエンス(J /cm^2)ではなく、ピークパワー値(W/cm^2)の大小による。

補足として、
1)両レーザーによるメラニンの破壊において、熱緩和時間未満であることを考えると、熱の影響はほとんどない。冒頭の私の質問の「熱の発生を出来る限り少なくしてメラニンを分解したいという観点からは、ピコ秒レーザーが優れている」という仮説は、間違ってはいないかもしれませんが、そもそも両レーザーとも、皮膚に当てたときに熱がほとんど発生しないのだから、「優れている」とまでは言い難い。
2) ピコレーザーではクーロン爆発までは起こらない。
です。

以上考えると、少なくともピコレーザーより短パルスでは、機械のパネル表示をフルエンスではなくピークパワーにしたほうが理にかなっている、と言えそうです。

イラスト訂正しておきます。ああ、すっきりした。
(2017/06/15 記)
 

刑事告訴してきましたー「このスレのクリニック・医師が死亡事故を起こした記事見つけたんだけどマジ怖!」 その2


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前回の記事(→こちら)の続きです。
中警察署に被害届を提出してきました。

 
被害届を出すというのは、生まれて初めてです。内容によっては受理されないことも多いと聞いていたので、可能性半々くらいかなあと思いながら、クリニックから警察署まで10分くらいを歩きました。
2ちゃんねるの該当ページをプリントアウトしたものを持参して受付で説明すると、まずは男性警察官が対応してくれました。話の飲み込みは早く、じきに刑事課の知能犯担当の方がいらっしゃって、しばらくしてから、さらに上司の方でしょう、年配の方が加わりました。
結論として、刑法230条(名誉棄損)「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」で、被害届を受理していただけました。
 
私は同時進行で、民事で弁護士に依頼して2ちゃんねるにIPアドレス保全を請求していますが、民事と刑事では同じ「名誉棄損」ではあっても、重みが違います。
今回、179件という多くのクリニックのスレッドに対して、一斉に名誉棄損の書き込みがあり、それが特定のサイトへの誘導であるという点が悪質と判断されたのだと思います。

受理番号、連絡先は下記です。この件に関して何か情報お持ちの方は、直接刑事課にご連絡ください。また、書き込んだご本人の方にも、自首をおすすめします。民事と異なり、警察が動けば、発信元はかなりの確率で判明します。判明前に自首すれば、多少は刑が軽くなるでしょう。
「代理の人を自首させよう」とか、変なことは考えないほうが身のためですよ。警察も裏を取るでしょうから。

 (最後に「被害届の受理証明ではありません」とありますが、このメモが受理証明ではないということであって、受理はされています)
 
また、被害を受けたクリニックのリストは、前記事の終わり(→こちら)にまとめてありますので、該当のクリニックや先生方におかれましては、私と同様に、警察署に出向いて被害届を出すことを、強くお勧めいたします。なぜなら、確認してきたのですが、今回の私の告訴は、あくまで愛知県中警察署内で完結するものだそうだからです。
私は、こういったネット関連の犯罪というのは、専門性が高いから、一括してどこか特殊な部署に送られるのかと思っていたのですが、そうではないようです。ですから、例えば、海外のサーバーを経由しているなど複雑な状況であると、担当捜査官のスキルが関係してくるかもしれません。せっかく多くの被害者がいるのだから、各警察署に届けていろいろな人に捜査してもらったほうが犯人に辿り着く可能性が高まります。
その際、私がすでに中警察署に被害届を提出して受理されていること、同時に179件の書き込みがされており悪質であることを強調してください。そうすれば受理もスムーズに運ぶと思われます。

美容外科業界っていうのは、いろんな輩がからんできます。西部開拓時代の無法地帯のような観もありますが、だからこそ、私たち医師は、自警団のごとく毅然として、アウトローを排除していかなければなりません。そのように環境を整備していくことで、酒場(私たちのクリニックの例えです)に、安心してお客さんが立ち寄ることが出来ます。皆で力を合わせましょう。書き込みされた他のクリニックの先生方におかれましても、お手間ではありますが、被害届の提出よろしくお願いいたしますm(_ _)m。(警察署の刑事課というところも、なかなか行く機会ないですから、面白いですよ)
(2017/06/12 記)

「このスレのクリニック・医師が死亡事故を起こした記事見つけたんだけどマジ怖!」その1


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2ちゃんねるというのは、若い方は知らないかもしれませんが、40~50才代にはなじみの深い匿名巨大掲示板です。SNSの無い時代には、情報交換の場所として一世を風靡しました。
中に書かれている情報の質は、まさに玉石混交で、眉に何度も唾つけながら読み込まなければなりませんが、時に役立つこともあります。
さて、その2ちゃんねるの「美容整形板」に、一昨日、6月7日17時から19時の間に、クリニック名を冠した各スレッドに下記のような書き込みがいっせいにコピペされました。


実に179のスレッドに2時間余かけて、書き込まれています。
被害にあったスレを記事の終わりに一覧にしました。私のクリニックも含まれています。
書き込みに張られているリンク先をクリックすると、


というサイトに飛び、そこには、まあ、なんと対応が早いと言うか、用意周到と言うか、
====
このページ本来のタイトルと本文は削除・書き換えました!その理由は、2chにこのページのURLが貼られてしまったからです。2chにこのURLを貼った犯人像はこのページを最後まで読んでいただければ見当がつくと思います。推察するに、2chに貼った輩の目的はクリニックに管理人を訴えさすことが狙いでは?
====

と記されています。要するに上記コピペが張られたから、本来ここにあったかもしれない「このスレのクリニック・医師が死亡事故を起こした記事」はもう見ることが出来ませんよ、ということです。

法的に考えたとき、179件の書き込みをした人は、明白な名誉毀損です。例えば、私のクリニックではこれまでに死亡事故は起きていませんから、悪意のある虚偽の書き込みです。
一方、リンク先のサイトは、自分もこの書き込み(リンク)によって迷惑を蒙っている被害者だ、と主張しています。何も書かれていませんから、当然名誉毀損には問われません。しかし、どこかに何か書かれているのではないかと探して、そのうちに「相談フォーム」にたどり着き、ついついメールを送ってしまう人もいるかもしれませんね。
リンク先のサイトは被害者であると主張していますが、それにしては対応が早すぎます。「179件の違法な名誉毀損の書き込みは、自身のサイトに誘導するための自作自演ではないか?」と穿って考える人もいるのではないでしょうか?(私は必ずしもそうとは思いませんが)

いずれにせよ、風評被害と言うのは、どこからどう始まるかわかりませんし、「このスレのクリニック・医師が死亡事故を起こした」と書かれた虚偽の情報を、たとえ2ちゃんねるとは言え、このまま放置するのもすっきりしません。私のクリニックの名前が冠されているスレッドの該当書き込みについては、とりあえず弁護士を介したIPアドレス保全請求を行っておきます。

そのあと、IPアドレス開示の仮処分およびプロバイダーへの発信元情報の開示請求もする予定です。ただし、それで発信者が特定されるかは微妙です。
もしも、発信者が特定されないような仕組みになっていたら、このリンク先のサイト主によるなりふり構わぬ自サイトへの誘導だろうと考える人はさらに増えるでしょうね(私は必ずしもそうとは思いませんが)。そう考える人が増えたら、ご愁傷様としか言いようがありません。結果はまた当ブログにて報告させていただきます。
(2017/06/10 記)

PS:いま気が付いたんですが、これだけ被害者多いと、刑事告訴すれば、警察動いてくれるかもしれませんね。明日弁護士さんに相談してみます。
刑事告訴してきました→その2
  
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ピコ秒レーザーはなぜ低出力でしみが取れるのか?(その2)


鶴舞公園クリニックの今月のご予約受付は終了しました。次のご予約受付日は7月1日(土曜日、10:00-18:30)からです。7ヵ月後の来年2月分のご予約をお受けいたします。公平のためお電話のみのご予約とさせていただいております(直接来院してのご予約は受け付けておりません)。ご了解くださいm(_ _)m。

前回(→こちら)、前々回(→こちら)の続きです。

専門の方が読むと噴飯ものの寝言のような内容の記事かもしれませんが、何とか私なりに納得しようと努めています。これでも高校の頃は数学の実力テストで学年で一人だけ満点とったり、妙に目立って将来を嘱望される人だったんだけどなー。たぶんその頃に「自分はやればできる」みたいな変な自己肯定感が身に付いちゃったんでしょう、分不相応な課題に取り組んで頭をひねる癖が58才になった今でも抜けません。

というか、誰かここをたまたま見た賢い人が「いやそうじゃないよ、こういうことだよ、深谷君。」と噛み砕いてどっかのブログで解説してくれると、本当に嬉しいんですが・・。本記事にリンクして、「こちらを読んで下さい」と誘導させていただきます。Info◎tclinic.jp(◎を@に変える)までご連絡くださいm(_ _)m。

さて、先回、「ピコレーザーはパルス幅が短いのでメラニンが固体の状態を保っているうちに全エネルギーが吸収される、固体から気体になるのはピコ秒単位で、ナノレーザーでは気化して密度が薄くなった後もパルスが続いているので、吸収効率が悪い」みたいなことを書きました。
固体とか気体とか突っ込み所が多すぎると自分でも思います。また、ピコレーザー(Enlighten)のパルス幅は750ピコセカンドあるので、ここに記した「ピコ秒単位」に当てはめるには長すぎるようです・・。もうちょっと調べてみました。
 
レーザー光がメラニンと言うか、物質に当たったときに、エネルギーがどのように伝わるかというと、まず電子に伝わるようです。光は電磁波なので、非常に強い電場のもと、電子の回転やら励起やらを経て、ついには原子から飛び出します。


電子が飛び出してしまった原子核は、プラスの電荷を帯びることになります。プラスの電荷の粒子同士は反発しますから、分子が壊れる結果となります(クーロン爆発)。私が先回「固体が気体に」って書いたのは、このクーロン爆発のイメージと思ってください(汗。


 さて、今回私が、私なりに納得したのは、この電子が原子核を離れて飛び出す率というのが、レーザー光のエネルギー(フルエンス)には比例しないようだ、という話です。
上図で電子が飛び出すのは、レーザー光の非常に強い電場によります。電場(E)に関しては、E=2.74×10^3×I^0.5(I:レーザー強度,W/cm2)という式があります。フルエンスの単位はJ/cm2で、ピークパワーの単位はW/cm2ですから、電子が飛び出す率というのは、フルエンスよりもピークパワーが関係しているのではないか、という発想です。
ちなみに、電子が飛び出すのは、「非線形光学現象」と呼ばれる現象の一つで、光のエネルギーが弱いうちは下式の光が作る電場(E)の一乗の項の数字が大きく二乗以下は無視できるんですが(線形)、光のエネルギーが強くなると、二乗の項の数字が大きくなってきて、これが関係して電子が飛び出すとかいろいろな現象が起こってくるようです。


熱は?というと、そもそも熱と言うのは、分子の振動みたいなものです。光のエネルギーが低くても強くても、電子に伝わったエネルギーの一部は、周辺に伝わります。熱の単位はまさにJ(ジュール)なので、フルエンスそのままです。クーロン爆発を起こすのに用いられなかったエネルギーは、この振動(熱)として未爆発のメラニンおよび周辺に伝わっていくでしょう。

クーロン爆発によるメラニン破壊が、レーザーパルスのピークパワーに関係し、発熱がフルエンスに関係するならば、ピコレーザーはナノレーザーよりも、フルエンスを小さくしてピークパワーを大きく取れますから、しみ取りに向いている、ということになります。すなわち、やけどを起こさずしみ取りができます。

私たち美容系の医師は、「Qスイッチレーザー(ナノ秒)は組織の熱緩和時間よりもパルス幅が短いから周辺組織に熱影響を与えない」と、小坊主が覚えた念仏のように時々口ずさみますが、ここにもう一つ以下を加えると、さらに賢そうに見えるんじゃないかと思います。

「しみ取りはレーザー光がメラニンに吸収されてクーロン爆発することによるが、それにはパルスのピークパワー値が関係する。一方組織の熱変性に関係するのは、フルエンスである。ピコレーザーは低フルエンスでもピークパワー値が高いので、やけどを最小限にしてしみ取りをすることができる」・・うーん、ちょっと長い。

熱の発生にはジュール(J、フルエンス)が関係するが、クーロン爆発によるメラニン破壊にはワット(W、ピークパワー)が関係する。うん、このほうがすっきりします。

後輩「ピコレーザーってなんで低いフルエンスでしみ取れるんでしょうかね?」
先輩「あーそれはね、熱の発生にはジュールすなわちフルエンスが関係するけど、クーロン爆発によるメラニン破壊には、ワットすなわちピークパワーが関係するからだよ。」
・・どうでしょう?格好いいかな?

ちなみに熱緩和理論の話は、パルス幅が数十ナノセカンド程度に短くなると、振動が周辺に伝わりにくくなるという話なので、ピコレーザーでクーロン爆発起きやすくなる話とは別物です。混乱しやすいので注意が必要です。
(2017/06/07 記)

追記
前々回、「ナノレーザー(C6)のフルエンス2.0J/cm2が、ピコレーザー(Enlighten)の0.5 J/cm2に当たるようだ」と記しました。
この両者のピークパワー値を実測して同じくらいならば、話が合います。レーザーのピークパワーを測定する機器はあるようです(→こちら)。
しかし特殊な機器だから、レーザーの保守してくれる技術者さんは持ってないだろうな・・。開発部門でないと。
C6のパルス幅は6nsecで、Enlightenのパルス幅は750psec(0.75nsec)ですから、単純に割って2.0/6:0.5/0.75 =1:2です。1:1にはなりませんね。しかしパルス波形は真四角ってことは無いので、ひょっとしたら実測すると同じくらいなのかも。
感熱紙の反応も、ナノレーザー(C6)のフルエンス2.0J/cm2が、ピコレーザー(Enlighten)の0.5 J/cm2でしたが、この解釈はちょっとまだわかりません。
感熱紙のインクというのは、二種類の化学物質が熱によって溶けて混ざることで発色するようです。ということは、固体を破砕するphotodynamic effectを有するピコレーザーでは、少ない熱でも発色させてしまう可能性があります。ですから感熱紙の黒変=熱ではないのかもしれませんね。

疑問ほぼ解決しました!→こちら

ピコレーザーはなぜ低出力でしみが取れるのか?(その1)


鶴舞公園クリニックの今月のご予約受付は終了しました。次のご予約受付日は7月1日(土曜日、10:00-18:30)からです。7ヵ月後の来年2月分のご予約をお受けいたします。公平のためお電話のみのご予約とさせていただいております(直接来院してのご予約は受け付けておりません)。ご了解くださいm(_ _)m。

前回(→こちら)の続きです。
(Qスイッチレーザーには、従来からあるナノレーザーと、新しいピコレーザーとがあります。ピコレーザーでしみを取ることの意味についての考察です)

ピコレーザーは、タトゥー色素の除去に効果的です。これは解ります。いわゆる衝撃波によるphotodynamic effectによって、硬い個体である色素が砕けるからです。
しかし、しみの茶色を作っているのは、メラニンなどの有機物で柔らかいです。柔らかいものに衝撃波は効かないでしょう。腎結石の衝撃波治療で腎臓まで砕けたら大変です。
 
実際にピコレーザーでしみを取ってみると、ナノレーザーよりも
1)ピコレーザーのほうが痛みが少ない。
2)照射エネルギー(フルエンス)が1/4くらいで済む。
という感触です。
1)は、パルス幅が短ければ、痛みが瞬間的に過ぎるので、軽く感じるためかもしれません。
2)が解りません。先回、黒い紙と感熱紙とを用いた実験で、ナノレーザーの2J/cm2が、脱色においても、発熱量においても、ピコレーザーの0.5J/cm2に相当することは確認しました。注:感熱紙の発色は二種類の化学物質が熱で溶けて混ざりあうことによります。ピコレーザーには固体を破砕するphotodynamic effectがあるので、熱以外の理由で発色している可能性があります)
いろいろ検索して、これが関係あるのかもしれない、という文献を見つけました(→こちら)。
まったく関係のない工学系の論文ですが、この中に以下のような記述があります。

=====
「励起光として超短パルスを用いれば、なぜレーザーエネルギーを効率よく吸収させられるかという点についてであるが、クラスターは局所的な密度が個体密度であるため、その密度が維持されている間はレーザーエネルギーを効率よく吸収することができる。エネルギーの吸収のメカニズムはいわゆる古典吸収を考えればよい。もう少し一般的に表現するとすれば、レーザー電解によりイオン化した電子がクラスター中をジグザグ運動し、AC電流が生じる。このAC電流によるジュール加熱によりレーザーエネルギーが熱電子に効率よく受け渡される。しかるに、クラスターの温度がレーザー照射により瞬時に上昇すれば、クーロン爆発あるいはクラスターの温度上昇に伴う急激な膨張運動が発生し、たちどころに電子密度が低下し、ジュール加熱が行えなくなる。したがって、パルス幅の長いレーザーを使った場合、レーザーエネルギーの大半はターゲットを素通りしてしまう。これに対し、クラスターの膨張時間スケールより十分短いパルスで加熱すれば、密度低下が起こる前にレーザーエネルギーが熱電子に受け渡されると考えられる。このような相互作用時間の目安としてクラスターの分解時間τexを考える。・・(中略)・・τexはピコ秒程度と見積もられ、上述の相互作用を起こすには超短パルスが必要であることがわかる」
=====


全然関係のない工学系の論文の記述からの、ただの類推なので、赤っ恥かくレベルの勘違いかもしれませんが、ナノレーザー・ピコレーザーとメラニンの関係に置き換えると、下図のような感じになるんじゃないかと思います。


メラニン顆粒は、最初は、固体(および水などの液体)です。この状態だと、レーザー光のエネルギーは効率的に吸収されます。しかし、ピコセカンドレベルの短時間経つと、一部が気化します。すると、エネルギー吸収効率が悪くなります。すなわち、ナノレーザーの場合、レーザー光のうち、メラニンに効率よく吸収されるのは、初めのほうの一部分のみです。後半のレーザー光はメラニンを素通りして、より深部に進んで、組織に吸収されるでしょう。それは生体には痛みとして感じられます。
ピコレーザーの場合は、メラニンが気化する前にすべてのレーザー光エネルギーが照射されるので、メラニンへの吸収効率が良いです。
 
そう考えると、ピコレーザーでしみ取りをする場合に、エネルギー効率が良いのも、痛みが少ないのも頷けます。( 「固体」とか「気体」とかという表現は例えとしても混乱の元だし、エンライトンのパルス幅は750ピコセカンドと長く、上図の右側の青の縦線はもっと左寄りになります。「非線形吸収によるクーロン爆発」という考え方のほうが、エネルギー効率の良さを説明しやすそうです→こちらにまとめ直しました)

エネルギー効率がいい、っていう特徴を、どう生かすかというか、ピコレーザーのメリットですが、
1) 何度も記すように、ナノレーザーよりも痛みが少ない。
2) 与えるエネルギーが少なくて済む=活性酸素の発生も少ない、ということなので、活性酸素を処理するために産生されるメラニンの新たな産生も少ないはずです。すなわち、炎症後の色素沈着予防や、肝斑でのトーニングやカーボンピーリングでの効果も期待できます。

ただし、その特性を生かすためには、必要以上に高出力にしないようにという配慮が必要でしょう。そこを理解せずに、「ピコレーザーでパルス幅短いから大丈夫のはずだ」と、高いフルエンス値でしみ取りやトーニングをすれば、やっぱり戻りじみ強く出たり、肝斑悪くなったりするんじゃないかと思います。
 
と、いろいろ考えると、ピコレーザー、やっぱり買って良かった、買うべきだった、と思うんですが、初期不良で壊れてしまっては、話が始まりません。今日も代車ならぬ代機のピコレーザーでしみ取りの施術していますが、私のピコレーザー、ちゃんと壊れなくなって帰ってきてくれるかなあ・・。
先日知人に、この話したら、「外車買ったみたいだね」と言われました。たしかに外車も、魅力的な反面、故障も多いって言いますからねー。
(2017/06/03 記)

本記事は、いろいろ突っ込み所が多いので、書き直しました→こちら

疑問ほぼ解決しました!→こちら

ピコレーザー(エンライトン)購入しました


鶴舞公園クリニックの今月のご予約受付は終了しました。次のご予約受付日は7月1日(土曜日、10:00-18:30)からです。7ヵ月後の来年2月分のご予約をお受けいたします。公平のためお電話のみのご予約とさせていただいております(直接来院してのご予約は受け付けておりません)。ご了解くださいm(_ _)m。
  
ピコレーザー(エンライトン)が届きました。ちょっとでかいけど、デザインや色はうちのクリニックに合います。嬉しい。


と喜んでいたら・・納入2日目にしてダウンしました。初期不良みたいです。
モニター表示に「low power」と出て、フリーズする症状で、メーカーによれば、発売直後の製品でときどき見られたようですが、最近は無くなっていたとのこと。回路の一部が温まっていないと認識して(実際には温まっている)しまうバグだそうです。最悪でも一時間くらい電源ONにしていれば、回復するらしいです。実際15分くらい電源付けたままにしていたら回復しました。
ところが、しばらくしたら、今度はモニターがまったく映らなくなってしまいました。再び電話で問い合わせて、電源ONOFF繰り返すなどいろいろしてみたのですが、回復しません。夕方、東京から代替え機運んできてもらうこととなりました。
こういう機械っていうのは、個体差があるものです。外れに当たっちゃったのかなあ・・嫌だなあ。
日本でこの機種は十数台クリニックに納入されているそうで、こういう症状って、他でもあるんですか?とお聞きしたところ、無いわけではないらしく、モニターが出なくなったのも、内部に差し込んであるメモリーカードがずれて外れた可能性が高いとのこと。最近の機械って、プログラムのバージョンアップに備えて、メモリーカードの中にソフト入れてるんだそうですね。
「あと、起こるとしたらどんな不具合でしょうか?」とお聞きしたら、「ハンドピースと本体をつなぐケーブルの不具合です。これは先生のほうでも簡単に交換できます」とのことでした。
対応早いのは有難いんだけど、十数台しか日本に入ってきてない割には、故障対応に慣れてる感じで、それはそれで何だか気が重くなります。「キュテラという会社は、バグをそのままにはしませんから、大丈夫です。」と言ってはくれるんだけど。
 
それは置いておいて、私がピコレーザーを買おうと思ったのは、実際にデモ機使ってみてその感触からです。
ピコレーザーは痛みが少ないです。うちは、顔中しみ取るお客さん多いので、痛み対策になるというのは朗報です。
ただ・・なぜ痛みが少ないのかが、どうも解りません。
 
また、フルエンス(エネルギー密度)についても、腑に落ちない点があります。施術の実感として、メドライトでは2.0J/cm2でなければホワイトニング(しみの黒色がレーザー当てた直後一時的に真っ白になる現象。確実にそのしみが焼けて除去できることを示す目安になる)が起きないようなしみが、エンライトンでは0.5J/cm2くらいで済むようなのです。エネルギー効率が約1/4です。
なぜだろう?・・
 
ピコレーザーとナノレーザーの違いを簡単に説明すると、ワンショットのパルスの波形の違いです。

ピコレーザーのほうが、同じフルエンス値でも、ナノレーザーよりも短時間でピーク値の高いレーザー光を出します。
パルスが短時間であればあるほど、周辺への熱の拡散は少なくなって、やけどを起こしにくくなります。・・もっとも、物質や細胞、それぞれに特有の「熱緩和時間」というものがあり、それより小さければ、理論的にはピコ秒でもナノ秒でも同じはずですが。
 
ちょっと思いついたことがあって実験してみました。パン屋さんのレシートを見ていてひらめきました。


レシートというのは、感熱紙です。熱が加わると、黒変する薬品が塗られています。
これに、ピコレーザーとナノレーザー当ててやれば、黒変の程度で、両者のエネルギーがどれだけ熱に変換されたのかを確認することができるのではないだろうか?
ピコレーザーのほうが周辺に熱変性起こしにくいことが視覚的に確認できるかもしれません。
熱変性起こしにくければ、やけどを起こしにくいから痛みが少ない理由になるし、熱という無駄なエネルギーに変換されなければ、その分エネルギーが効率的に色素破壊に使われているということだから、フルエンス値が低く済む理屈です。
それで、クリニックのレジから感熱紙を少し頂戴して、両レーザー当ててみました。

両レーザー、各フルエンスにつき、縦に4発づつ打ってあります。うーん・・。
メドライトのほうは解りやすいです。フルエンスが上がるにつれ、感熱紙の黒変も濃くなってきます。
エンライトンのほうは・・予想としては、メドライトよりも周辺への熱影響及ぼしにくいだろうから、黒変もメドライトより薄いんじゃないかと思ったんですが、そうなりません。
むしろ、フルエンスのいちばん小さな0.5J/cm2で一番濃く、メドライトの0.5J/cm2よりも濃いです。ということは、熱影響はエンライトンのほうがメドライトよりも大きい??
マイクロスコープで、感熱紙を拡大してみました。


 どうも、メドライト(C6)の2.0J/cm2の発熱は、エンライトン0.5J/cm2と同じくらいのようです。エンライトンのそれ以上のフルエンスの結果が薄く見えたのは、感熱紙の黒変自体を、エンライトンが分解してしまったように見えます。
そこで、0.5J/cm2のフルエンスで、一か所に繰り返し照射を行ってみました。

予想通りで、メドライト(C6)の場合は3回繰り返したところがピークでそれ以降は、いったん黒変した感熱紙を白くする方向へと転じます。エンライトンの場合は、一回目がピークでそのあとは、黒変した感熱紙を脱色していきます。
次に、黒い紙を用意して、ここに両レーザーを、フルエンスを変えて打ってみました。

ここでも、やはりメドライトの2.0J/cm2が、エンライトンの0.5J/cm2に相当します。色素を破壊する力も、発熱量も、同様にメドライトの2.0J/cm2が、エンライトンの0.5J/cm2に相当するようです。
 
そうすると、「メドライトの2.0J/cm2が、エンライトンの0.5J/cm2に相当する」という臨床的体感とは合致しますが、痛みがエンライトンでは少ないことの説明がつきません。
思いつくのは、エンライトンのほうが、パルス幅が1/100くらいに短いですから、同じ熱量のやけどでも、瞬間的にチカッとしたやけどのほうが、じわーっと長めにしたやけどよりも痛みが少ないという可能性です。・・うん、痛みに関してはそういうことかなあ。
感熱紙が同じように黒変してしまうのは、たぶん感熱紙の熱緩和時間よりも、ナノレーザーのパルス幅が、すでに十分短いんでしょう。すでに十分に短いものを、さらに1/100程度に短縮しても、発熱はさほど変わらないと。(違うような気がしてきました。追記1
ただ、同じ効果を出すのに、フルエンスが小さくて済む理由が、どうもわかりません・・。光音響効果が加わるために、低フルエンスでも効果的に色素が壊れるってことなんでしょうか(←たぶん違います。追記2参照) ちょっと私の頭では、このあたりまでが限界です。

低いフルエンスでしみが取れるということは、それによって発生する活性酸素も少ないはずです。それなら炎症後の色素沈着も弱くなって良さそうです。
しかし、以前デモ機持ってきてもらったときに、数名を、半顔をエンライトンで、半顔をメドライトでしみ取りしてみたんですが、戻りじみ(炎症後の色素沈着)に左右差は無さそうでした。
ただし、このときは、フルエンスに関してそれほど意識してなかったので、メドライトを2.0J/cm2、エンライトンを0.5J/cm2に揃えて比較したら、よいデータになるのかもしれませんが。
 
とにかく、ピコレーザーでしみを取ると、多少痛みが少なく済むメリットはあるみたいです。いまのところはそれだけ。患者にとっては何よりかもですけどね。
(2017/06/02 記)
 
追記1:
感熱紙が同じように黒変してしまうのは、熱緩和時間云々の問題ではいような気がしてきました。マクロでの発熱量は同じだが、ミクロではピコレーザーのほうが、より色素選択的に作用しているというのはあり得ます。

追記2:
タトゥー除去の時に、ピコレーザーの方が治療成績が良い理由として、ピコレーザーが衝撃波を発生することがあります(photodymanic effect)。
しかし、これは、タトゥーに用いられている色素が、無機物の硬い塊であってこそです。腎結石破砕のときにも、衝撃波が用いられますが、結石が固いからです。柔らかいものも破砕するなら、人体全体が壊れてしまうでしょう。
そこから考えると、しみやADMなど、メラニン色素が原因の場合は、衝撃波は関係なさそうです。

疑問ほぼ解決しました!→こちら

国産のアートメイク色素作りました


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先回の記事「国産のアートメイク色素つくります・その8」は→こちら
ついに発売しましたので、これまでの表題の「作ります」を「作りました」に変えました。
販売サイトは→こちら

普及キャンペーンのために、バナー作りました。色素ご購入いただいた先生方のHPなどに貼付をお願いしています。


 なぜ「安全性が高い」のかのおさらいです。

1) 一回分の使いきり
海外の色素は、小さなボトルに入っていますが、数十人分あるので、開封後は使い回しです。私の製作した色素は、一人分づつ小分けしてあります。

2) 滅菌済み・防腐剤無添加
海外の色素は、開封後使い回しのために、雑菌などに汚染されたりする可能性があります。それを防ぐために、アレルギーを引き起こす可能性のある防腐剤を添加しなければなりません。しかもどんな防腐剤が用いられているかも不明です。
私の色素は、一人分づつ小分けして、パックに封じて滅菌することで、防腐剤を添加する必要がなくなりました。

3) 全成分開示
海外の色素には、成分開示がまったくなされていない製品が多いです。アメリカ製の色素の代理店で「FDAが認可しています」と謳っているところがありますが、実は「FDAが化粧品材料として認可した成分を用いている」というだけのことであって、皮膚内に注入するアートメイク色素として認可を受けたわけではありません。FDAは基本方針として、いかなるアートメイク色素も認可はしません。アメリカではアートメイクは完全に自己責任だからです。アメリカではメーカーには成分開示義務がないため、問い合わせても、ただただ「FDAが(化粧品材料として)認可した成分を用いています」と繰り返すだけです。これでは、アレルギーのある人は安心してアートメイクが出来ませんし、そもそも何で出来ているのか不明なものを、医師が患者に用いるべきではありません。


自分にも、製作した色素(濃茶と茶)で眉アートメイクしてみました。私は現在58才ですが、加齢によって垂れ下がっていた眉を、アートメイクによって外側に上げることで、若々しくなったと思います。製作した色素の具合を確認するための、ただの実験だったんんですが、気分の良いものですね。中高年の男性にもおすすめですよ。
 (2017/05/30 記)

第105回美容外科学会(JSAS)スレッドリフトシンポジウム報告(その2)


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その1は→こちら。(追記していたんですが、長くなってきたので、続編記事としました)

1)田中先生

居原田先生のFB上で田中先生とちょっとだけ議論しました。
田中先生が溶けない糸を使いたくない理由は、実は「純粋に気持ちの問題」であって、「私は自分の鼻にヒアルロン酸注入はしますが、シリコンプロテーゼは決して入れたくない」のと、同じだそうです。
それならそう語ってくれれば話は終わるのに・・。
論理的に考えると、鼻へのヒアルロン酸注射は、シリコンプロテーゼよりも必ずしもリスクが低いとは言えません。血管塞栓による壊死や失明といった重篤な合併症があるからです。
しかし、だからといって、「ヒアルロン酸注射はするが、プロテーゼは入れない」というスタンスが間違っているとはいえません。それは感性・好みの問題であるからです。
感性に基づくそのスタンスを、「溶けない糸は異物であって感染リスクが続くから」と、論理で解説されると、「溶ける糸を2~3年毎に繰り返すのだって、同じ異物だから、感染リスクは同じではないですか?」と反論せざるを得ません。私は私で、溶けない糸の施術を受ける患者さんたちを不安に陥らせないようにする責務がありますから。
しかし、一般論として、女性がこのように感性で判断したことを、論理で解説しようとして、男性が反論してやりこめると、女性は傷つきます。感性っていうのは、人格に関わっている部分があるので、男性の想像以上に傷が深いこともあります。だから、私生活においては、こういう場合には私は決して反論しないのですが・・。
田中先生が理3→東大医学部卒という点も話をややこしくします。田中先生が、実は女性的な感性でもって発言した内容であっても、何か深い論理的な裏付けがあるのではないか?と多くの人は考えてしまうでしょう。この点は、ぜひ再認識して、感性による場合は「これは私の感性によります」とはっきり明記して情報発信するようお願いしたいものです。
 
2)居原田先生
 
さて、田中先生との議論のあと、居原田先生から、私がやっている伸縮系の糸であるアプトススプリングについて質問がありました。居原田先生は、同様のコイル形状のPDOでできた韓国製の糸を使ってみたが、引っ掛かりが悪かったので、私のアプトススプリングが本当に引っかかるのか、懐疑的なようでした。
スプリング形状の糸は、個々のリングの間で組織を挟んで引っかかるので、コイル状にしたときにばね弾性(伸ばした後縮む力)が出る素材でなければなりません。PDOでスプリング作ったことは無いのですが、弾性出にくいのかもしれません。
要は引っ張って伸ばした後で、ちゃんと縮んでくれるのか、です。素材によっては一回引っ張っただけで伸びっぱなしになります。そういう素材はコイルには向きません。
 
ちょうど今日いらっしゃったお客さんが、アプトススプリングのよい適応だったので、御了解を得て供覧します。4か月前に他院にて切るリフト手術を受けています。口横など中顔面が物足りないとのことでした。

術前
(クリックして拡大すると見やすいです)
 
デザインは下記のようです。こめかみから口囲にかけての3本がアプトススプリングです。耳下にかけてのは通常のアプトス。左右合計6本のスプリングと2本のコグ付き糸です。

術直後

上がってるでしょ?上がってるっていうことは、コグが無くても引っかかっているということです。伸縮系ですから、口を動かしても戻りはありません。

3)境先生
 
境先生の感染率の高さがどうも気になって、境先生のFBで、術野の消毒に何を使っているのか聞いてみました。
境先生、洗顔・洗髪だけで消毒はしないそうです。ああ、そういうことか。それが原因だと思います。
形成外科の先生で、術野消毒しない人というのは、最近多いみたいです。小さな切り傷なんかは、昔は消毒していましたが、最近は水道水で良く洗って異物を除くだけでいい、ということになっています。消毒は創傷治癒自体には不必要だし、かぶれるリスクもあります。
形成外科で切開して縫合するような手術の場合はその考え方でもいいんですが、糸の場合は、小さな傷口から糸を押し込めるわけです。皮膚表面の常在菌が糸とともに送られて後日化膿するリスクは高いです。
なぜ私がそう考えるかというと、一般皮膚科に従事していた頃の、私の経験からです。免疫不全の患者に、筋肉注射をするときなどは、アルコール綿では皮表の滅菌が不完全で、注射針で皮表の菌を押し込んでしまい、膿瘍を形成することがありました。比較的強い消毒剤である(消毒剤の強さ・抗菌スペクトルはいろいろあります)イソジン液10%で消毒してから注射するようにしたら、そういうことはなくなりました。
かなり自信があります。境先生がイソジンで消毒して施術をすれば、感染率は私と同じくらいまで低下するはずです。もっとも、それでも感染はまったくゼロにはならないだろうから、感染時の糸の抜去のしにくさを考えると、私はスプリングスレッドを使う気にはなりませんが。
(2017/05/19 記)

追記
田中先生の経験によれば、溶ける糸(3Dリフト、コグリフト)と、スプリングスレッド(以前施術していたが現在は施術していないとのこと)とでは、感染を起こす率がスプリングスレッドのほうが圧倒的に高い、とのことです。術野を同じように消毒したうえでの比較なので、消毒の関係ではないということになりますね・・。
境先生、田中先生とも、スプリングスレッドは細かい埃などを吸着し易く(静電気?)、そのため雑菌なども拾って糸周辺で微小なコロニーを作り、それが免疫力低下したときなどに化膿するのではないかと考えていらっしゃるようです。
もしそうなら、糸自体をいったん消毒液に浸けてから挿入するというのはどうでしょうか?静電気も逃げるし、付着した細菌も滅菌されるでしょう。
田中先生によれば、感染したスプリングスレッド糸は、私の想像とは異なり、するっと抜けることが多いようです。ただ、私自身は、スプリングスレッドを他院で施術を受けた後に感染し、抜こうとして途中で切れて、その末梢が瘤のように膿瘍形成した方を診たことがあるので、すんなり抜けないケースもあると認識しています。

追々記
なんで、こんなに食い下がって追及しているかというと、糸のリフトのマーケット全体の健全な発展のためです。
そのためには、問題点や疑問点は徹底的に議論して洗い出す必要があるし、その過程はオープンなほうがよい。信用が増します。
私は58才、あと10年くらいでしょうか?自分で糸の施術が出来るのも。
次の学会発表は、また10年後の予定です・・まだ、私が施術していたらの話ですが。
それまでは、またクリニックにこもって精進したいと思います。

追々々記
大分整理されてきたのでまとめておきます。スプリングスレッドというのは、感染しても多くの場合はスルッと抜けるが、原因不明の感染率の高さが問題のようです。田中先生は、溶ける糸とスプリングスレッドとの経験があって、この感染率の高さはスプリングスレッドが溶けない糸であるからだろうと考えていました。
田中先生の溶けない糸に対する拒否感は、この経験に由来するようです。元々スプリングスレッドを施術なさっていたなら、当初は抵抗なかったということです。ここに女性的な感性による判断が加わったのでしょう。
今回の私からの報告と疑問・質問によって、感染率の高さが溶けない糸に普遍的なものではないと気付かれたようです。
スプリングスレッドの表面素材はシリコンですが、シリコンと言うのは、白内障の人工レンズに使われるくらいですから、決して感染しやすい素材ではないです。
いちばん有り得るのは、成型が甘くて、ミクロで見ると表面に凹みが多い可能性です。そこに細菌が潜んだ状態で挿入されれば、免疫力低下など何かの拍子に化膿が始まってもおかしくないです。撚糸である絹糸のほうが表面ツルツルのモノフィラメント糸よりも感染生じやすいのと同じです。
どうも現在溶けない糸として市場に流通しているのは、スプリングスレッドだけみたいですね。学会の展示ブースでも見なかったし。だから田中先生、誤解したのでしょう。
スプリングスレッドの感染率の高さが、溶けない糸全般の話と誤解されて広まったら、私としてはいいとばっちりです。嫌だなあ・・。
境先生や田中先生が、私が使っているような自作糸で施術すればいいのにと思うんだけど、お二人に限らず、なぜか皆さん業者さんが持ってくる糸しか使いません。自作糸のほうがコスト安くなって患者さんに還元も出来るし、悪いこと何もないと思うんだけど、なぜだろう??
皆さん、施術は好きだけど、仕込みは面倒ってことなんだろうか?あるいは同業者である私にノウハウ尋ねるのがプライドが邪魔して嫌なんだろうか?昔からすごく不思議です・・。
 

第105回美容外科学会(JSAS)スレッドリフトシンポジウム報告(その1)


鶴舞公園クリニックの今月のご予約受付は終了しました。次のご予約受付日は6月1日(木曜日、10:00-18:30)からです。7ヵ月後の来年1月分のご予約をお受けいたします。公平のためお電話のみのご予約とさせていただいております(直接来院してのご予約は受け付けておりません)。ご了解くださいm(_ _)m。

以前書きましたようにスレッドリフトのシンポジストを依頼されましたので、10年ぶりくらいに学会に行ってきました。
せっかくなので、前から泊まってみたいと思っていたアマン東京で一泊しました。部屋から皇居と宮内庁が見えて綺麗。ちょっと畏れ多いような気もするけど・・。


私の発表内容は、先回記したように(→こちら)、「溶けない糸には長期効果(たるみ予防効果)がある」という臨床的直観の検証です。グラフが多くて解りにくいかもしれないと思ったので、ハンドアウト作って配布しました。Pdfをupしておきます(→こちら)。

はもり皮フ科の吉田先生と、あきこクリニックの田中先生が溶ける糸を、六本木境クリニックの境先生が溶けない糸(スプリングスレッド)を報告して、四番目が私、その次に溶ける糸と溶けない糸両方施術すると言う平井イーストクリニックの平井先生、という発表順です。
吉田先生と田中先生は、溶けない糸を入れると言うことに対して抵抗があるようで、これはこれで解らなくもないです。溶けない糸の最大のメリット=長期効果(たるみ予防効果)というのは直観的なもので、これまでエビデンスが無かったからです。今回私が頑張ってエビデンスを数字で出してみたので、考え直していただけると良いのですが。
境先生のスプリングスレッドは、あまり彼のHPに術前後の写真が無かったので、今回before/afterの写真を複数見せていただいて、実態がよくわかりました。境先生は、あまりほかの溶けない糸の施術経験が無いのだと思います。だからあの程度の効果で感動してブログで自画自賛なさっているのでしょう。平井先生も同様で「口横のような動かす場所には伸縮性のあるスプリングスレッドしかないと思います」とおっしゃってましたが、そんなことはない、伸縮系の糸なんて、昔からいろいろあります(→こちら)。
境先生について良い点を挙げるとすれば、溶けない糸の効果に気付いておられる点です。その点は好感が持てます。
ディスカッションで盛り上がったのは、感染症についてでした。口火を切ったのは田中先生で、ご自身の講演の中で「溶けない糸というのは、長期間経過したあとでも、感染症を起こすことがあります。ですから私は溶けない糸は入れません」とおっしゃいました。次いで境先生が、やはり講演の中で、ご自身の施術3百余例中の感染発症率が、最初は5%くらいで最近は3%くらいであること、感染を起こさないように、細心の注意を払って施術していること、などを話されました。
私は今回、カルテ100例について集計してみたのですが、感染を起こした例は3件で、100例の総施術回数は289回、糸総本数は1689本ですから、手術件数あたり1.0%、糸1本あたり0.17%です(→こちら)。境先生の感染率は高いです。境先生も気にしておられるようで、糸の素材の関係かもしれないとおっしゃっていましたが、ちょっと理由がわかりません。ひょっとしたら私と境先生の差は、誤差範囲なのかもしれませんが。
それで、ディスカッションのときに、私から田中先生に「溶けない糸は感染症が問題とおっしゃるけれど、溶ける糸で感染起こしたら、抜こうとしても途中で千切れてしまうから、かえって厄介ではないですか?」と質問しました。田中先生も、そこは認めて「過去に一例だけ感染起こした例を経験しています。対処は難しかったです」とのことでした。座長のドクタースパクリニックの鈴木先生も「私も他院での施術例ではありますが、溶ける糸の感染例を診たことがあります。千切れて中に糸が残ってしまうので、奥のほうでの感染は、結局糸が完全に溶け切るまで遷延して、漏孔から浸出液が出続けました」とコメントされました。
 
要は、糸と言うのは、溶ける糸だろうが溶けない糸だろうが異物なのですから、感染は起き得ます。重要なのは、感染が起きたときに、しっかりと抜くことが出来る糸なのかどうかです。糸さえ抜去できれば炎症はおさまります。
 
私が使っている糸は、少なくともこれまでは、感染起こした際には綺麗に抜去できました。溶ける糸は、溶け始めれば途中で切れてしまって、その先が残ります。また、スプリングスレッドは複合素材です。柔らかくて千切れ易いシリコンをポリエチレンで芯を作って強度を出しています。だから、抜こうとすれば、シリコンとポリエステルが分離してシリコンが残ってしまうはずです。
ですから、「感染リスクを考えて溶ける糸での施術を勧めています」という田中先生の論は、的を外していると思います。
田中先生は、ご自身でも、溶ける糸を2,3年に一回入れ直しているとのことですが、それなら異物は継続して存在し続けるわけですから、溶けない糸を一回施術するのと感染リスクは変わりません。
 
シンポジウムが終わったあとで、境先生には、私から手を差し出して握手しました。以前境先生がブログで「名古屋の超有名クリニックでの施術に物足りなかったお客さんが境クリニックでスプリングスレッドを受けて大満足」みたいな記事を書いたので、私が反論したことがありました(→こちら)。これを機会に和解しようと考えたからです。
しかし、境先生、気になることをおっしゃいました。
「あの記事は、僕知らなかったんですよ。ゴーストライターが書いたんです。」
ちょっと待て、ゴーストライターが書いたとしても、自分の名前のブログだから責任は自分だろ?少なくとも内容チェックは事前にしないのか? 
そのときはびっくりしただけだったですが、後で新幹線の中で無性に腹が立ってきました。
 
このブログを読んでいる同業者の中には、学会と言う内輪の場(本当は内輪ではありません。その証拠に私の患者も一人、非医師の会費払って聞きに来ていました)で情報交換している内容を、私がこのように赤裸々に書いてしまうことに、不快感を覚える人もいるでしょう。しかし、同業者の快感・不快感なんて、私の価値観からは糞食らえです。大切なのは真実です。
 
境先生個人には、上にも記したように、溶けない糸の効果に気付いておられるという意味で、良い印象をも持っています。悪いのは、ゴーストライターです。スプリングスレッドが売れると得をする誰かじゃないでしょうか?
医者というのは、結構、純朴なものです。境先生含め、皆、学会で真面目に議論します。美容外科の業界をうさんくさくさせるのは、だいたい、医者を利用してビジネスしようとする輩です。そういう連中を排除して、業界の自浄機能を高めるのは非常に重要なことだと思っています。そういう意味でもここははっきりと記したほうが良いでしょう。
医師の皆さん、ブログは自分で、自身の言葉で書きましょう。

今回は、研修医1年目の娘と二人で学会参加しました。娘はいま24才ですが、30才までには、なんとか説得して、溶けない糸を入れておいてやりたいと思っています。私自身(58 才)にも、溶けない糸は10本くらい入っています。
平井先生は、ディスカッションで、「私も研修医の娘がいますが、溶けない糸(スプリングスレッド)は入れたくありません。」と言っていました。自分自身や娘に入れられないような物を、お客さんには入れるっていう姿勢は、私は賛成できません。
 

(2017/05/18 記)

追記
今回企業展示見て思いましたが、糸は全部、金型で成型するモールドタイプに変わっていますね。私が使っている切込みをいれて加工するタイプは、バナナピーリング(棘から縦に裂ける)するから、モールドタイプに進化したみたいに謳われているようですが、違います。金型成型のほうが、圧倒的にコストが安いからです。切り込み加工って、職人仕事で大変だから。
引っ掛かりは、切り込みの糸のほうが強いです。釣り針を想像してみると判りますが、モールドタイプの棘じゃあ、魚は釣り上げられないでしょう。
仮にモールドタイプの糸が、同じくらい引っ掛かりが強ければ、やはり同じ力で引っ張った時には、糸は破損する筈です。
また、韓国の小さなメーカーがたくさん出展しており、どうしてこんなニッチなマーケットで、こんな商品作って売ろうとするのかな?と不思議だったんですが、あるブースで話していて、謎が解けました。
小さな会社に見えますが、全部韓国の財閥がバックにあるんですね。日本の中小企業には出来ない芸当(ベンチャービジネス)が出来る筈だわ・・。
韓国って、人口少ないし、マーケットとしては小さいです。日本は韓国よりも大きなマーケットです。
なおかつ、ジャパンブランドってのは、韓国でも中国でも、根強いです。日本の医者が使っている、ということで韓国で売れるし、さらには中国という大きな市場にも売り込めるでしょう。
要するに日本の医者は、韓国製の出来合いの糸使って施術した時点で、利用されているんですよ。
私みたいに、日本国内の職人さんや、小さな会社にお願いして、オリジナルの針糸作って施術している医者って、聞いたことないです。
もうちょっと気骨というか、張り合い甲斐のある面白い先生、出てこないかなあ・・。

追々記
麗ビューティー皮フ科クリニックの居原田先生が、「女医であり患者目線で自分たちの顔に糸を入れている吉田先生と田中先生のほうが説得力があって軍配が上がる」みたいなこと書いてます(→こちら)が、居原田先生、私が日本で一番最初に自分自身の顔に糸入れた医者だってこと御存知ないのかなあ?2003年か4年ころに、シンガポールのDr Woffles Wuがデモに来た時に入れてもらいました。自分がお客さんにやっている施術がどんなものなのか体感してみたかったので。
昨年のハロウィンパーティーで、居原田先生と同席した私の友達の名古屋の女医さんたち(→こちら、3人目の亀井先生を除く4人)全員、溶けない糸仲間です。私も含めて全員50才台。若いでしょ?
これが現実ですよ、糸の長期効果。溶ける糸入れようが、溶けない糸入れようが、とにかく50才台になって若く見えてる女医さんの勝ち。
居原田先生の記事読むと、溶けない糸=スプリングスレッド??みたいな印象お持ちのように読めるんですが、確かに企業展示ブースでも溶けない糸見なかったし、ひょっとしてスプリングスレッド以外の溶けない糸って、居原田先生含め最近の先生方はご存じない??
10年間学会ご無沙汰してるうちに、世代替わったからなあ・・。

その2(→こちら)に続きます。