多血小板血漿11:PRPは眼の下(クマ)の肌質改善に効く(+手背に打ったスタッフのその後の経過)


2月から研究してきたPRP液の採取、施術ですが、すっかり当院メニューとして定着しました。まずスタッフで試み、次に常連さんの何人かに声をかけて施術していたのですが、効果もだいたい把握したので、現在では普通に電話で予約を受けて施術しています。

 初回5万円、2回目以降1回3万円です(注:現在は一律一回5万円に値上げしました)。1回に32ccほどの血液を採取します。市販のキットと異なり、血小板一次凝集抑制にプロスタンジンを用いるので、血小板収量が高いです。
 女性の生理は1ヶ月あたり平均80ccくらいの出血量ですから、32ccというのは体に負担はほとんどありません。繰り返しご希望の方は、数か月に1回を目安にするといいと思います。繊維芽細胞の活性化が数ヶ月持続するからです。

 今回は、眼の下(クマ)の肌質改善の例を示します。モデルは私です。


 私は53才で、向かって左側(右目)の下に小じわが生じてきています。施術の目的は、この小じわがPRPでどの程度改善されるか?でした。

 注射量は少なくていいので、血小板は600万/μL まで濃縮して0.3ccを小じわのあたりに注射しました。反対側(左目)は対照(コントロール)とするため注射していません。

 一ヵ月後は一番下の写真のようで、小じわは浅くはなりましたが、消えてはいません。しかし、それよりも興味深い変化は、小じわ周辺の一帯の皮膚に現れました。


 術前の写真では、鳥肌状の小さなぷつぷつ(汗線や毛孔など皮膚付属器とよばれるもの)が目立ちますが、1ヶ月後には判りにくくなっています。 私の眼の下の皮膚は元々薄く、下の眼輪筋が透けてやや赤黒く見えるのですが(いわゆる「クマ」)、その色調も緩和されています。

 これは血小板が皮膚内の繊維芽細胞に作用した結果、1ヶ月かけてコラーゲンが産生され、皮膚の厚みが増してふっくらした結果と考えられます。そのため小じわも全体的に浅く少なくなっています(張りが出ている)。

 以前、スタッフの首の皮膚全体にPRPを打って、鳥肌状の肌質が改善した例を示しました(→こちら)が、私の眼の下の効果は、それと同じことのようです。

 一本じわ(あるいは二本じわ)自体を目立たなくしてやろうと思えば、ヒアルロン酸をその個所だけに上手に入れたほうが効果的ですが、PRPというのは、注射部位を中心としてかなり広範囲にまんべんなく作用するようです。ですから、PRPの注射というのは、ヒアルロン酸のように、ピンポイントに「ここに打たなければ」ということが無く、また、小じわのところに打つとそこだけふくらむというものでもありません。そういう意味では、注射手技はヒアルロン酸より容易といえます。

☆手背に打ったスタッフのその後☆
 片手にPRPを打ったスタッフを以前紹介しました(→こちら)が、4ヶ月目になってだいぶ左右差(効果)が解るようになってきました。

 PRP施術側は、1)血管(皮静脈)と血管の間が埋まって、血管が目立たなくなってきています。(2)肌の色も施術していない側に比べて、若干白くなってきています。これらの効果は、間質(血管と血管の間)で、4ヶ月かかってゆっくりと自分自身のコラーゲンが産生され蓄積された結果です。
  PRPの良い点は、ヒアルロン酸注射などのフィラーと違って、「自力で若返りしている」点だ、とスタッフは言います。わたしも自分に施術してみて、その感覚はわかります。また「PRPの持ちは、どのくらいですか?」と聞かれることがありますが、PRPによって産生されたコラーゲンや脂肪組織は、自分自身に由来するものですから「持ち」などありません。あえて言えば「ずっと持ちます」という答えになります。
 もちろん、加齢とともに、皮膚や皮下組織の萎縮は進みますから、ずっと張りが保てるわけではないでしょうが、それでも、5年後10年後を考えたとき、PRPを施術した側は、施術していない側よりも若さを保っているはずです。


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これは、出来上がったPRP液の濃度確認用に構築した顕微鏡システム。もともと私は皮膚科医ですから、顕微鏡は持ってたんですが、この10年は使い道もなく仕舞い込んだままでした。

 これに位相差レンズとコンデンサー仕込んで、光源をハロゲンからLEDに交換して、パソコンにデジタル表示できるようにしました。


 位相差+LED光源ですから、血小板の数がとても数えやすい。この4×4マスの小さな白い点(一つ一つが血小板です。やや大きなのは白血球)の数かぞえて1万倍すると原液(PRP液)の血小板数です。上の写真は600個以上ありますから、600万/μL 以上です。プロスタンジンで一次凝集抑制しておけばサラサラなので、濃縮は自由自在です。

続報「眼の下の小じわのPRP療法(その2)」は→こちら

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 閑話休題。以前、紫外線計の解説のところで、「近々隣のビルの屋上に紫外線計移します」と記しました(→こちら)が、その隣のビルの看板と紫外線計が出来上がりました。外壁も塗りなおしたので、いま足場を撤去中です。


 この看板のあるほうの黄色いビル、5Fが空いています。どなたか入居なさいませんか?14坪弱で賃料月10万円くらいです。眺めいいですよ。4Fは不動産屋さんで3Fは英会話教室、2Fはクリニックの倉庫として使ってて、1Fは喫茶店です。
 もし入居していただける方いたら、クリニックまでお電話ください。また、入居してくださる方御紹介くださったかたには、カーボンピーリング5回券(10万円相当)プレゼントします。よろしくお願いしますm(_ _)m。
(2012年6月7日記)