うちのクリニックは若返り系の施術が主で、美容というか変身系の施術はあまり積極的にはしないのですが、それでも若い人向けの「お遊び」的なプチ整形は、しなくもないです。埋没法による二重まぶたや、軽度下垂または眼の上のくぼみのタッキング術は、代表的なものです。
今回は、その併せ技について。
この方は、埋没二重希望でいらっしゃいました。たしかに上まぶたが三重四重になっている感じで、一本にまとめるとはっきりしていいかもしれません。
施術後です。二重にまとまったはまとまったんですが・・本当にこれでいいのだろうか？
それで、タッキングで眼の上の窪みにあたる脂肪を中からひっぱって出してみます。
術後です。眼の上の窪みが解消されて、はっきりしました。これならまあOKでしょう。
次の例です。この方は左目（むかって右）を気にされています。右目（向かって左）に比べると、若干小さめに感じます。
遠方の方なのですが、地元の美容外科で左目のみの埋没二重をやってみたのですが、気に入らず、抜糸してもらったそうです。
ご自分で研究されたのでしょう、「左目をタッキングで開けてほしい」とはっきりとした希望でいらっしゃいました。
タッキングで上げた直後です。直後のバランスをみるための写真撮影なので、緑色の糸がまだついています。
赤矢印のようにタッキングの糸をかけて眼を開けたわけです。ただし皮膚のかぶさりのために、上がったところは一見判りにくいです。
しばらく様子を見た後、埋没二重を追加しました。これも直後なので青い糸がついています。
直後なので、上まぶたの皮膚のかぶさりが甘く、二重がくっきりですが、これは二週間くらいで、かぶさってきて、右目と同じくらいの奥二重になっているはずです。
その後拝見していないのですが、たぶん、かなり左目は右目に近付いたんじゃないかと思います。もし気に入らなかったら、前に他院で外してもらったように、うちのも外しにいらっしゃると思うので。
他院で埋没二重をやってみて気に入らなかったのは、たぶん二重がくっきりしてしまったからじゃないかと察します。今回ははじめにタッキングで目を開かせてから埋没二重の応用で、目頭の立ち上がりを変えたので、前よりも二重の幅が狭くて済みました。御本人の目的は、目頭の立ち上がりのあたりを、右目とそろえることであって、決して二重にしたいわけではなかったからです。
微妙な世界ですが、微妙なだけに、「やってみてうまくいかなければ糸を外せば元に戻る」という点が大きなメリットです。
お若い方が、変身のために切ってしまう（＝戻せない）、というのは、わたしはちょっとお付き合いするのが怖いです。だって、数年後に気が変わるかもしれないじゃないですか。ヘアスタイルみたいなもので、流行みたいなものもあります。
そもそも美の絶対的基準なんて存在しないと思うし。
しかし、こういった、おしゃれ的な感覚で、ちょっと変えてみよう、っていう施術は、心理的についていけるというか、相手の心に自分の心を重ねやすいので、お受けできます。
前にも書きましたが、変身願望っていうか・・自分が嫌で変わりたいっていう場合は、心を重ねるためには、まず、私が、そのお客様の今のお顔を「嫌い」にならなきゃいけないでしょ？わたし、それが出来ないです。
たいていの方のお顔は、そのなかに「綺麗さ」「可愛らしさ」を、私は見つけてしまいます。これは嘘いつわりなく本当に・・。「面食い」ではないんでしょうね。
若返り系の施術は、昔の自分に戻りたい＝昔の自分が好きっていう、自己肯定な心理がありますから、感情移入しやすく、お客様といっしょになって考えることができます。楽しいです。
（2012年7月14日記）