北半球(夏)では死亡率が低い

 
「プチ整形の世界」を紹介するブログのはずなのに、このところコロナの話ばかり書いていてすみません。
しかし、やはり、医者の端くれとして、一番の関心ごとではあるので、続き書きます。
3月に、見通しとして「春になって季節が変わればおさまるのではないか?」と書きました(→こちら)。
7月になっても、感染者数増加しているようで、この点の私の予想は外れました。
ただし、なぜか死亡者数は少ないままです。
若者と高齢者の接触が少なくなったためなのかな?と考えていました(→こちら)が、先日、The telegraphというイギリスの新聞に「コロナウイルスは弱毒化して虎から山猫になった。ワクチン完成を待たず収束するかもしれない(Coronavirus has downgraded from 'tiger to wild cat' and could die out without vaccine)」という記事が掲載されました(→こちら)。
どうも、コロナによる死亡率の低下は、日本だけではなさそうです。
それで、札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門が作成している、「人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】」で、確認してみました。
横軸は「人口100万人あたりの死者総数」で、縦軸は「人口100万人あたりの新規死者数(7日間)」です。
たぶん、研究所としては「人口100万人あたりの死者総数がある数に達すると、新規死者数が低下するだろう」という仮説のもとにこのグラフを作成しているのだと思います。
私は、これを、北半球と南半球とで分けて、表示してみました。
すると、北半球(夏)では、新規死者数の低下がみられるのに、南半球(冬)では低下傾向がみられないのが判りました。
<北半球>
<南半球>

この解釈はむつかしいです。以前、コロナウイルスの感染力は、温湿度の影響を受けるので、夏になれば自然に収束に向かうだろう、と書きました。しかし、7月になっても感染者数は増加しており、この点の私の予想は外れました。
しかし、死亡率は、季節の影響を受けているように見えます。
コロナウイルスにも、致死率の高いものと弱いものがあって、夏でも感染するウイルスは致死率の低いものなのかもしれませんね。
逆説的な考え方で恐縮ですが、現在のコロナの感染拡大は、むしろ好ましいことなのかもしれません。もしも、北半球が冬になる次の12月頃から、また死亡率が上がるとしたら、夏のうちにコロナに感染してしまっておいたほうが、免疫がついて良いのかもしれないからです。
「夏のコロナは冬に備えてのワクチンみたいなもの」という考え方です。

さて、久しぶりに、糸の症例写真でも、掲げてみようかと思います。
この方、最初の施術は2007年。13年前です。

施術直後。

半年後です。まぶたのたるみ取りのため、いらっしゃった時のもの。

13年後です。再度の糸での引き上げ希望でいらっしゃいました。

施術直後。

また13年くらい持ってくれるでしょう。その時には、さすがに私はもう引退してるかもしれませんが。
その前に、ご縁があったら、もう一回くらいお会いできるかな?
まあ、コロナやらいろいろありますが、皆さん、死ぬまで元気で頑張りましょう。
(R2.7.24記)

東京の感染者数増加をどう考えるか?


私は美容外科医(皮膚科医)であり、このブログも施術のbefore/afterを中心に書いてきました。専門外の感染症の予測など書き連ねて、情報を混乱させるべきではない、という意見もあるでしょうが、4月から5月にかけての予測が割と当たっていたので、引き続き私の考えるところを記してみます。
東京を中心に、新規感染者数が増えています。東京や政府は、再びアラートや緊急事態宣言を出すべきなのでしょうか?いわゆる第二波は来ているのでしょうか?
まず東京の1日あたりの新規感染者数の推移です。100人を突破しました。

さあ、大変だ、と感じるのはもっともですが、一日あたり死亡者数の推移を見てみましょう。さほど増えてはいません。

全国でも確認してみましょう。感染者数は地増加傾向です。

しかし、死亡者数はさほど増えていません。東京と同じです。


この解釈ですが、
(1)東京を中心に増えている感染者は、若年者が中心で、重症化しにくい、
(2)マスク着用やソーシャルディスタンスの習慣が身に付いたため、若年者から高齢者への感染が防がれている、
ということだと、私は解します。
これは悪いことではありません。重症化しにくい若年者の間で感染と治癒がひろがっていけば、それはちょうどワクチンを接種するのと同じだからです。感染の最中にいる若者が高齢者と接触することはリスクですが、治癒して免疫をもった若者が増えれば、高齢者にとっては「人間の盾」になります。

いま必要なのは、「夜の街での遊びの自粛を促すこと」ではなくて、「若年者と高齢者との接触を可能な限り断つこと」だと私は考えます。

高齢者の皆さん、若者には近寄らないようにしましょう。若者、とくに活発に夜遊びしているような人は、しばらく実家に帰ったり、病院におじいさんおばあさんのお見舞いに行ったりしないでください。
次記事では、また美容若返りの施術のbefore/afterが書ければいいなあと思います。
しかし、気がついたら2020年も、もう折り返しに来てしまいました。今年は早く感じますね。
(2020/7/4記)