5月7日より診療再開します


新型コロナの拡散防止に協力するため、4月10日よりクリニックを閉めていましたが、5月6日まで休診を続け、5月7日より診療再開することにします。

これを書いているのは4月23日です。まだ2週間先のことなので、状況が変わるかもしれませんが、現時点で、私がなぜそう判断するに至ったかをまとめておきます。

最大の理由は、全国の毎日の新規コロナ患者数が、4月12日をピークとして減少に転じているからです。非常にざっくりと、このペースで減少していくと考えてグラフに外挿すると、だいたい5月20日ごろには収まりそうです。

東洋経済オンライン編集部の萩原さんのサイト
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/
の4月22日時点での全国の「現在の患者数(新規)」のグラフに加筆

もう一つは、時間経過とともに免疫獲得者が増えていくという視点です。
一般的に感染症は下のグラフのように流行が進みます。なので、5月20日頃には、1日当たりの新規患者数が3月上旬と同じく数名に落ち着くという予想を立てたとしても、それは3月上旬と同じになるということではありません。もっと状況が良いです。感染しない人(免疫獲得者)が増えているからです。

青:未感染者、緑:感染者、赤:免疫獲得者

もうひとつは、季節の問題です。「熱帯でも南半球でも死者は出ているじゃないか?」と言う方もいるでしょうが、下のグラフをご覧ください。人口100万人当たりの国別の死者数の推移です。
南半球のニュージーランド、オーストラリア、ブラジルは、北半球のイタリア、英国、アメリカよりも、人口当たりで補正してみると、死亡率がずいぶん低いことがわかります。
ブラジルなどは、大統領の方針で、都市封鎖よりも経済を優先させていますが、それでもアメリカよりはるかに低いです。
これから日本は夏に向かうので、感染しにくくなるはずです。


札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門作成「人口あたりの新型コロナウイルス死者数の推移【国別】」
の4月22日のグラフに加筆

最後にもう1点、アジアと欧米の違いです。
上の国別グラフには、中国と韓国も加えてあります。同じ北半球の国でも、アジアは欧米よりも死亡率が低いです。比較してみてください。
原因はわかりません。民族(遺伝子)の違いかもしれないし、生活習慣の違いかもしれない。あるいは、元々新型コロナはアジア(中国)由来のウイルスなので、アジア人は、近縁のコロナウイルスに既に罹っていた人が多く、交差免疫を持っているのかもしれません。
いずれにせよ、欧米のような死屍累々といった状況にはならなさそうです。

以上の観点から、5月7日からクリニックを再開することにします。政府および愛知県の緊急避難宣言の解除の有無に関わらずです。
繰り返しますが、これは、4月23日時点での判断です。今後の状況によって変更するかもしれません。

状況が好転したとしても、リスクがゼロになったわけではありませんから、引き続き感染対策には留意します。
5月7日以降は、当クリニックから、クラスターを発生させないことが目標です。お互い頑張ってこの辛い時期を切り抜けましょう。
(R2.4.23記)

前回記事の追記同様、John Burn‐Murdochのグラフ(https://twitter.com/jburnmurdoch)から単純に線を引いてみると、日本が現在の韓国並みに落ち着くのは6月10日くらいになります。



イタリアは、9月10日くらい、アメリカは10月以降です。
上の記事で「5月20日くらい」と書いたのは、元のグラフが「新規患者数」なためで、新規患者数の落ち着きよりも、「死亡者数」の落ち着きの方が遅れます。
それにしても、欧米はまだまだ大変な状況が続きそうです。
抗体陽性率と経済を見ながら、段階的に緩めていくんでしょうね。
(R2.4.25追記)