切らない眼瞼下垂手術・その6


鶴舞公園クリニックの今月のご予約受付は12月2日でいっぱいになりました。次のご予約受付日は1月5日(木曜日、10:00-18:30)です。7ヵ月後の来年8月分のご予約をお受けいたします。公平のためお電話のみのご予約とさせていただいております(直接来院してのご予約は受け付けておりません)。ご了解くださいm(_ _)m。

現在、クリニック混んでいて、目回りの手術のご予約は休止しています。休止してはいるのですが、昔の知人が久しぶりに現れて、重そうな瞼を一生懸命挙げているのをみると、ついつい声をかけて施術してしまいます。
左眼の眼瞼下垂が著明です。目の上がくぼんで四重五重になっていて、額の筋肉を使ってがんばって目を開けているため、眉が上がって額にしわが入っています。

下は、開院祝いで来てくれた13年前の写真。もう13年会ってなかったんだなあ。。振り返ってみると、このころから、左眼瞼下垂の兆しはありましたね。

 一針、5分で手術は終了します(→こちら 注:動画は施術の解説で別の人です)。術直後の写真がこちら。

下の写真は、12日後です。戻りがないので成功です。この施術は、誰に対しても必ず成功するというものではないですが、1週間たって戻りが無く、痛みや違和感もなければ成功です。効果は永続します。

 それで今回思いついたことがあって実践してみたんで、ここからが本論です。この施術、一見うまくいったようでも、目の裏側からナイロン糸を通して引き上げるので、糸の断端が角膜に細かいひっかき傷のようなものを付けることがあります。症状はとくにないのですが、たまたま眼科で検診受けたときに指摘されてびっくりして問い合わせを受けることがあります。

糸を外してやり直せばよいだけのことですが、施術した後、一回眼科を受診させて診てもらっておいたらどうだろう?と考えました。角膜の細かい傷っていうのは、肉眼では見えません。眼科でスリットランプという機械で確認するのが一番確実です。

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〇〇様ご紹介申し上げます。左眼瞼下垂に対して、上瞼結膜側から糸を刺入し、ミュラー筋・挙筋をタッキングして引き上げるという施術を行いました。この施術では、ときに糸断端が角膜に当たって細かい傷をつけることがありますので、眼科での術後の確認が望ましいと考え、ご紹介申し上げました。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします
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お返事はすぐ来ました。
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本日診させていただきました。角膜に傷はありませんでした。ご紹介ありがとうございました。
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これですっきり、安心して手術終了です。「切らない眼瞼下垂」の手術をするときには、術後の眼科検診をセットにするのが合理的ですね。

さて、そう考えたとき、この手術、そもそも眼科でやったほうがいいのじゃないだろうか?と考えに至りました。
眼科で保険診療で眼瞼下垂の手術に力を入れているところはあまりないんじゃないかと思います。それは、切開して行う手術の場合、時間や経費を考えて、採算が合わないからだと思います。
それに比べると、この「切らない眼瞼下垂」手術は、時間も手間もかかりません。保険診療で眼瞼下垂の手術をするにあたって、術式まで指定されているわけではないから、この術式で保険請求したってよいのではないでしょうか?ここは、解釈の問題なので、私が勝手に決めることではないのですが。

東京では、うちに勉強にいらっしゃった眼科の女医さんが、すでに施術メニューに入れています(→こちら)。

私が教えたのだから、うちとほぼ同じやり方です。関東方面の方、よかったら行ってみてください。ただし、この施術、加齢による眼瞼下垂にしか効きません。若い方の先天性(うまれつき)の眼瞼下垂には効きませんから、ご注意くださいね。

この施術習得したいという眼科の先生、いらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。上述したように、現在うちで予約は受け付けていませんが、どなたか患者さんおひとり連れてきていただければご教示いたします。
(2016/12/24 記)

鶴舞公園クリニック 院長 深谷元継