和子先生の若返り

 
鶴舞公園クリニックの今月のご予約受付は9月2日でいっぱいになりました。次のご予約受付日は10月1日(土曜日)です。7ヵ月後の来年5月分のご予約をお受けいたします。公平のためお電話のみのご予約とさせていただいております(直接来院してのご予約は受け付けておりません)。ご了解くださいm(_ _)m。
 
うちのクリニックのビルの2階でアートメイクの仕事始めた(→こちら)和子先生。開院祝いに糸入れました。
和子先生、うちに来て積極的に若返りに取り組み始めたのはこの1年ほどなので、継続的にメンテナンスしている典子先生よりは変化が解りやすいです。
 
下は10年くらい前、40才頃です。私が開院して2~3年目だったか、遊びに来た時の写真です。
国立病院でいっしょに働いていた20才台の頃よりも上まぶたがかぶってきて、法令線も深くなってきたなあ、と思いました。親しかった人の昔の面影が消えていくのは寂しいものです。この写真を撮ったあと、とりあえず何本か頬に糸入れて引き上げました。
  

下は久しぶりに会った1年前、50才前後です。頬は10年前の糸が頑張ってくれていますが、まぶたがさらに下がってきて小狸みたいです。本人は強がりなのか、本気でそう思っているのか、「素敵なおばあさんになりたい♪」なんて、楽観的なこと言ってました。
  

「素敵なおばあさんになりたい♪」とか言う人たまにいるのですが、もし強がりでなくて本気でそう思っているなら、老いというものをなめています。老いと友達になんかなれませんよ。人生でいちばん手強い敵だし、最後には打ち負かされます。
そういったことを説いて、和子先生をちょっとねじ伏せて無理やり上まぶた切って、頬にまた糸入れました。和子先生、わりと素直に私の言うことを聴く一面もあります。
その後、PRPとか目回りも処理して、糸も追加で何回か入れて、ここまでレストアしました。このくらいだと、私が知ってる昔の彼女の顔に近いです。


年配のお客さんで、「お棺に入ったときに笑われたくないから、しみを取って綺麗にしておきたい」って真顔で言う人がいましたが、人生「死ぬまで若返り」です。素敵なおばあさんなんて糞食らえ、自分の娘や嫁、さらには孫娘と張り合うくらいの気持ちを胸に秘めてこそ、正しい女性の生きる道だと思います。
結果的に周りの皆が幸せな気持ちになるしね♪。女性の美しさは社会の財産です。
(2016/07/21 記)

鶴舞公園クリニック 院長 深谷元継

ステロイドを用いないアトピー性皮膚炎の予後


鶴舞公園クリニックの今月のご予約受付は7月1日でいっぱいになりました。次のご予約受付日は8月1日(月曜日)です。7ヵ月後の来年3月分のご予約をお受けいたします。公平のためお電話のみのご予約とさせていただいております(直接来院してのご予約は受け付けておりません)。ご了解くださいm(_ _)m。
 
私は2003年にプチ整形専門の美容クリニックを開業する前は、国立名古屋病院で主にアトピー性皮膚炎の患者を主に診ていました。90年代前半くらいからなので、約10年間です。気が付けばプチ整形に従事した期間のほうが長くなりました。

私がアトピー性皮膚炎の診療から離れた理由の一つに、この疾患は自然治癒傾向がある、という点があります。言葉で書いてもピンときませんが、下の写真を見れば一目瞭然です。
「Topical steroids」というのはステロイド外用剤のことで、要するにこれらの患児たちは、まったく薬を用いずに6ヶ月経って快癒してしまったということです。





この自然治癒傾向に関する研究、すなわち、アトピー性皮膚炎に医療介入を行わず、数か月間観察してどの程度の改善率があるのか、という研究は、意外となされていません。それで私は、昔アトピー性皮膚炎を診ていたときに交流のあった先生方に呼びかけて、確認してみることにしました。その研究結果が、このたび論文になりました。300人の患者をステロイド無しで6ヶ月間フォローした多施設コホート研究です。

A prospective study of atopic dermatitis managed without topical corticosteroids for a 6-month period. Fukaya M, Sato K, Yamada T, Sato M, Fujisawa S, Minaguchi S, Kimata H, Dozono H
https://www.dovepress.com/a-prospective-study-of-atopic-dermatitis-managed-without-topical-corti-peer-reviewed-article-CCID

YouTubeのビデオアブストラクトは下記URLにあります。
https://www.youtube.com/watch?v=TmDK3dfxNu4

ステロイド外用剤(短期的には確実に湿疹を抑えてくれます)を使用した場合に比べて、自然治癒傾向がどう違うのか、を確認するのが目的の一つなので、別の先生方が既に行っていたステロイド外用剤を用いた6ヶ月調査のスキームになるべく合わせて評価しました。その結果、とくに成人の重症例においては、ステロイドをまったく用いないほうが改善しやすいこともわかりました。

画期的な話だと思うので、注意喚起のためにこちらのブログでも紹介しておきます。有志の方、SNSなどで拡散して下さい。ボタンは一番下のほうにあります。よろしくお願いいたしますm(_ _)m。アトピー性皮膚炎にステロイド外用剤を用いる場合には、一時的な短期使用にとどめて、長期連用を避けるべきです。ステロイド外用剤依存(Topical steroid addiction)という、治療薬であるはずのステロイド自身が疾患を難治化させてしまっているという状況に、本人も医師も気付かないうちに陥っていることがあります。
 
さて、私がアトピー性皮膚炎の診療から離れた理由の話に戻りますが、自然治癒傾向のある疾患と言うのは、私のようなタイプの医者にとっては、やりがいを感じにくいです。
患者は不安ですから、寄り添ってあげれば感謝はされるし、変な話、自分が治したかのように装うことだって出来ます。しかし真実はそうではありません。
 
それに比べると、プチ整形または美容外科と言うのは、はっきり自分の行った医療行為の結果が現れる仕事です。それも超短期に。その点が、自分にとって心地よいし、作品(お客様をこう表現しても失礼ではないと思います)が上手に仕上がると、私自身とても幸せになります。
 
下は、口周りの小じわをヒアルロン酸注射で埋めたところです。左が施術前で右が半年後です。細かくチクチクと打ってしわを埋めていくので、手間はかかりますが、自分がしただけの結果が必ず出ます。胸を張ってお代金の請求ができます(笑)。自然治癒傾向のある疾患じゃ、「神が治して医者が代金を受け取る(God heals and the doctor takes the fee. 英語の諺です)」そのまんまですから。


(2016/07/08 記)

鶴舞公園クリニック 院長 深谷元継