ロシアからのお客様2

11月分のご予約は昨日(4月1日)で一杯となりました。次は5月1日(日曜日)に12月分のご予約をお受けいたします。5月1日は日曜日ですが、クリニックは営業日なので、予約も通常通り朝10時からです。どうかよろしくお願いいたしますm(_ _)m。
昨日も、電話がつながらないからと、クリニックまでお越しいただいた方がいらっしゃるのですが、公平のためお電話のみのご予約とさせていただいております。ご理解ください。

あまり施術のことを書かないと、お叱りをうけるかもしれないので、また糸の施術の写真供覧します。
もっとも、新しい話題はとくになくて、従来の解説の繰り返しになってしまいますが・・。
モニターはオリガさん。もう数年来のお付き合いです。ハバロフスクのお医者さんとの橋渡しもしてくれています。写真は2回目の糸の施術直後、静脈麻酔から覚めて待合のソファで休んでいたところです。

 
下は3年くらい前、初めて糸を入れる前です。


長い糸(エックストーシス)のデザイン。


施術直後です。なすび型に下がってきていた頬のお肉のプレートを、まずは頭方向に持ち上げました。


下の写真は3年後です。鼻横の法令線の深さや、頬全体のたるみぐあいを見ると、前回のエックストーシスが効いていることが判ります(前回施術前の写真よりも若く見えます)。


今回は、頬下半分とあごあたりを引き上げて締めます。直線状のデザインはスプリングアプトス、弧を描いたデザインは通常のアプトス。


施術直後です。

☆閑話休題☆
実家の庭にアーモンドの木があるんですが、綺麗に花が咲いていました。桜よりも一回り大きいです。


これは昨年収穫したアーモンドの残り。小さな桃のような実がなって落ちるのですが、その種です。


これを割るとアーモンドが出てきます。生でかじると、杏仁豆腐の香りがします。

ポルトガルに旅行したことのあるお客様によると、ポルトガルでは街路樹がアーモンドで、ちょうど日本の桜のように春に花が咲いてきれいなんだそうです。・・そのうち日本もアーモンドの街路樹が増えるかもしれませんね。銀杏の木の銀杏拾いよりも、アーモンド拾いのほうがおいしそうだし(^^;。
(2016/03/24 記)

「Dr咲江のEvening Lovers講座」準備中です

 
チュチュシュシュでコラボしている(→こちら)咲江先生は、患者としてあるいは個人的にお付き合いがあってご存じのかたも多いと思いますが、たいへんノリが良くて賢い方です。
現在、中高年女性むけの新しいサイトを作ってみようと企画しています。私にとってのメリットは、チュチュシュシュ、ヒアルプロテクトの販促になるという点ですが、それ以上に、この領域は未開拓でパイオニア精神をそそられますしね。
現在コンテンツ作成中ですが、「膣圧について」のパートを紹介します。膣圧計測を気管内チューブと生体情報モニターで測定してみるといいんじゃないか?と考案したのは私なので、その点についてのまあちょっとした自慢です(^^;。お医者さんとか医療関係の方には伝わると思いますが、どうです、うまく考えたでしょ。

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Dr. 咲江の EVENING LOVERS講座 いつまでも愛し続けるために


【膣圧について】

膣のゆるみというのは、女性の隠れたコンプレックスであることがあります。出産後、お風呂でお湯が入ってきたり、性交時にパートナーが昔のように元気になってくれないと、「わたしの膣がゆるいからかしら?」と気になります。
ひどい話では、出産後「お前のは太平洋だ」と、面と向かって言われた方もいます。そのような言葉は、一生の心の傷になって恨まれますので、男性パートナーはくれぐれも心してください。
また、意外な盲点としては、男性が浮気してほかで精力をつかってしまって勃たないのを、「お前の膣がゆるいからだ」と言い訳することがあります。本当に私の膣はゆるいのか?これを客観的に判定するのが膣圧計測です。

 市販の膣圧計。棒状のセンサーを挿入してお尻をしめるように力を入れて、そのときの圧の上昇具合を測ります。

と、ここまでの考え方はよいのですが、実はこの「膣圧計」の値、本当に性交時の膣の締まり具合を反映するのか?という根本的な疑問があります。
セックスの時に、皆さんお尻をキュッと締めるように、膣に力を入れていますか?そんなことはなく、むしろリラックスして、あるいは筋肉に力を入れている余裕などないはずです。


市販の膣圧計で測っているのは、膣の中のほうの圧力です。これは骨盤底筋という、恥骨から尾てい骨につながる、腹部内臓を支えるテント状の筋肉の収縮力です。子宮脱や尿漏れに関係しています。
セックスのときの膣のしまりは、もっと膣口に近いところにある「球海綿体筋」(いわゆる「括約筋」)および、その周辺の脂肪などの非筋肉組織のボリュームによって作られます。


中のほうの収縮力ではなくて、入り口付近の狭さなのです。

ここからが本題です。この膣入口付近の狭さを、どう数値化するか?まずはそこから考えました。
呼吸不全のときに挿管に用いる気管内チューブには、容量20mlほどの柔らかいカフが付いています。これに空気を入れます。


次にこの空気入れ口を、生体情報モニターの観血的血圧計センサーにつなぎます。これで、カフにかかる圧を連続記録する装置が出来上がりました。


実際にカフを少し押してやると、敏感に圧を拾います。


下は、実際にモニターの女性の膣にカフを挿入したときの圧記録です。まず膣入口を通過するときに、圧がぐっと上がります。これが膣入口の狭さを表していると考えられます。目盛りで31mmあります。このスケールは40mmが50mmHgにあたるので、膣入口圧は38.75mmHgと計算されます。


次いで膣深部です。ここでの最低値は23.75mmHg、ここで「お尻に力を入れて膣のあたりをぐっと引き締めて下さい」と声掛けします。このときの最大値が32.5mmHg。32.5-23.75=8.75mmHg が、骨盤底筋の引き締めによる圧の上昇で、市販の膣圧計の示す値にほぼ等しいです。


ついで力を抜いた状態で、カフを抜いていきます。このときの最大値は42.5mmHg。入れるときと抜くときは若干入口の圧が異なり、どうも抜くときのほうがやや大きくなるようです。


以上のA膣入口(in)、B膣深部、C深部引き締め、D膣入口(out)の4つの数字でもって、膣のスペックが記録できそうです。
評価としては、このモニターさんの場合、セックスの際の締まりに関しては、問題ありません。しかし、DとCの差は若干低めなので、骨盤底筋の収縮が弱いようです。運動はあまりなさらない方のようなので、年をとってからの尿漏れなどの予防のため、今から運動を心掛けるといいですね、というアドバイスになりました。

10名の入口圧と深部引締め圧の値をプロットしたところ。入口圧が高くて深部引締め圧が低いひともいれば、入口圧、深部引締め圧ともに高いまたは低いひともいます。

この方法を用いれば、骨盤底筋の収縮力としての「膣圧」と、セックスの際の膣の締まりを反映すると考えられる「膣入口圧」とを別々に評価することができ、正しく患者さんを指導することが出来ます。このモニターさんに市販の膣圧計だけで測定して「あなたは膣圧が弱いですね」と伝えたら、この方は「私の膣は締りが悪いのか」と、誤解を与え、セックスに対する自信を失わせる結果となったかもしれませんね。

この方法による膣圧計測は、咲江レディスクリニックにて行っています。お問い合わせは→こちら

(2016/03/21 記)

救急救命の講習・その3


その1は→こちら
その2は→こちら
ALSO(産科救急)の話は→こちら

一昨日の日曜日にクリニックをお休みして、自治医大までPALS(小児救急)の更新コースの受講に行ってきました。
今回4度目の更新です。2年に一回の更新なので、最初に受講してから早いもので8年経ちました。
JATECやALSO、FCCSいろいろ受講して、インストラクターを経験したりもしましたが、現在はACLS(成人の心疾患を中心とした救急コース)とPALSの2つのプロバイダーを維持しています。この2つは本当に基本なので、医師である限りスキル維持のために更新を続けたいと考えています。

今回講師として指導していただいた方は産婦人科の先生で、大野病院事件で刑事告訴され無罪が確定した産婦人科の先生とお二人で、福島県内の周産期医療センターに勤務しておられるとのことでした。たまたま、というよりも、救急の講習に行くときには、気を引き締める意味もあって、これを使うことが多いのですが、当時の支援ボールペンを持参していたので、記念に進呈しました。
 


このボールペンには、下記のように「我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医の無罪を信じ支援します。」と印字してあります。最善と考えられる判断のもと手を尽くしたにも関わらず不幸な結果となってしまった場合に、その医師が刑事告訴されるというのは、絶対におかしい、そう感じた当時の多くの医療関係者が、福島地検への抗議の意思をもって、職場でこのボールペンを使いました。



発案したのは実は私です。うちのクリニックの女の子たちがボランティアで発送事務をしていました。最終的に1万500本を配布しました。費用は全て現場の医療者たちのカンパです。


無罪判決のあと、あの産婦人科の先生はどうされたのだろうか?と思いだすことはありましたが、福島に留まって、周産期医療センターで頑張っていらっしゃったとは・・。

医師でない方には、この感銘伝わりにくいと思いますが、大野病院事件の当時、この産婦人科医の先生(匿名も変なので、以後加藤先生と実名で書きます)に対して、地元では同情的な声ばかりではなかったそうです。それは、単に「昨日まで元気だった妊産婦が死んでしまった。産婦人科医のせいに違いない。」という単純なもので、悪意のない誤解であるがゆえに、医療者側としては、やりきれない思いがつのります。
加藤先生が産科医療に情熱を失ってしまって、たとえば私が今やっているような美容自由診療のような世界に転向してもよかったわけです。
そういう道を選ばずに、自分に石を投げてきた住民も混ざっているであろう福島にとどまり、お産の現場の仕事を続けるっていうのは、私はブラックジャックとか読んでも何の感動も覚えないのですが、加藤先生には脱帽です。

私の横にいらっしゃる講師の先生(河村真先生といいます)がまた心根の良い方で、大野事件とそれに続く震災を契機に、福島の周産期医療に尽力しようと決意して福島に移住されたのだそうです。こういう方々こそが本当の医者です。それに比べれば、私などは医師免許を持っているだけのただの人です。
およそ出不精の私が、救急救命の講習に行くのだけは厭わないのは、スキルの維持という目的もさることながら、こういう気持ちの良い現場の医師の方々と出会うことが多いからです。本当に心が洗われます。

同時に、私なりに強調しておきたいことがあるのですが、医者の中には一定数、こういった善意の方がいます。一般の人間(この場合私も一般人に含めます)は感謝し称賛すべきです。
しかし、注意しておかなければならないのは、こういった話を聞いたり読んだりしていると、それが当たりまえのような気持ちにだんだんとなってくるという危険です。「医者であれば当然の行動だ」という厳しい意見を言う人が出てきます。すると医者の中からも、「救急や産科など、好きな医者がやっているのだからそういう連中にやらせておけばいい」という、開き直った意見を言う人も出てきます。医者と一般人のそういう対立は、悲しいです。
そうではなく、私も含めた一般人の立場にある人間は、こういう善意の医師たちに対して、ただただ有り難いことだと後背を拝んで感謝すべきだと考えます。
そしてもうひとつ強調しておきたいことは、全ての医者の心には、一定率、こういった善意に向かう気持ちがあるということです。私の中にもあります。
実際、私も16年間の国立病院勤務時代に、救急や産科とは異なりますが、別の種類の善意の医療に尽くした時期がありました。医療の中の不採算部門は、こういう医者の中の善意によってしか支えられない、そのことをよくご理解ください。そして、そういった医者の善意を最大限に引き出して、かつその医者自身も不幸にしない(過度な称賛はその医師を後戻りできなくさせて追い詰めることもあります)ためには、私たち一般人はどういう言動をとるべきか、そこをよく慎重に見極めて、皆で幸せな社会を作りたいものです。

最近、プチ整形の具体的な施術とは離れた話題が続いてすみません。私がいまやっている美容医療も、お客様を幸せにすることで、社会的意義はもちろんあると自負しますが、医療の本流は、やはり河村先生・加藤先生たちがなさっているような仕事です。
お客様に対しては、信頼に答える誠実な医師でありたいし、その一方で、河村先生・加藤先生たちのような「本当の」医師たちに対しては、心から称賛と敬意を送りたいと思います。

(H28.3.15記)