スプリングアプトスについて(その1)


スプリングスレッドという糸での引き上げ方法があります。調べてみると2008年頃からフランスの会社が作っている糸のようで、素材がしなやかというメリットがあるようです。
http://springthread.com/
しかし、なんで「スプリング」なんだろう?・・スプリングというのはばねのことなので、コイル状のものを連想してしまうのですが・・シリコン素材で若干伸縮性があるからということなのでしょうか?

私はしばらく前まで、このスプリングスレッドをスプリングアプトスのことだと誤解していました。スプリングアプトスというのは、アプトスの発明者であるDr.Sulamanidze(スルマニゼ)が考案したもので(http://aptoslift.com/)、私は2004年か5年頃だったか、ロシアの知人の医師に「スルマニゼがまた面白いものを作った」と教えてもらいました。

今日はこのスプリングアプトスのお話です。うちはスプリングアプトスはやっていますが、スプリングスレッドはやっていません。誤解されるといけないのでまず念を押しておきます。

スプリングアプトスはどういう方に向いているかと言うと、「頬が縦にそげた感じで、口横に肉が落ちてきているような感じ」の方です。下にうちのスタッフに施術したbefore/afterを写真で載せますので、参考になさってください。


弱点と言うか、注意しなければならない点は、針糸を出した口横のところが、すこしえくぼ状になりやすいことです。ばねで引き上げるので、効果が強い分、ピンチも強くかかるということですね。


メリットはというと、これは上図をご覧の通りで、口横のだぼつきに対しては、おそらく最強です。
コイル状なので、顎関節をはさんでいても、術直後から口が開けやすく戻りも少ないです。

この「スプリングアプトス」ですが、日本であまり知名度が無いのは、正規代理店がないからだと思います(→こちら)。グルジアのスルマニゼにメールして直接購入することも出来るのでしょうが、実はこれ、ナイロンの切り糸から自作できます。

自作の方法と実際の施術動画をYoutubeにUPしました(上のURLをクリック)。関心ある先生、うちのクリニックまで御足労頂ければ、作り方入れ方教えますよ。見学の先生とはいろいろ情報交換できるので、基本歓迎です。

自作の方法を考えたのは私です。もっとも模造品の作り方を考案したからといって自慢にもならないのですが・・あえて言うと、オリジナルはポリプロピレンなのですが、私はナイロンを使って作ります。ナイロンのほうがばねの力が強いからです。アプトス糸はポリプロピレンですが、あれは加工し易さ(刻み易さ)からポリプロピレンなのであって、スプリングにはナイロンのほうが向いています。スルマニゼに「なぜオリジナルを買わないのか?」と怒られたらそう答えようと思っています。

アプトスやエックストーシスでどうしても残る口横のたるみには、リポレーザーをまずはお勧めするのですが、それでも駄目な場合は、スプリングアプトス(自家製)使います。この施術は、経験的に適応というものがあります。向いているかどうかは、お顔拝見してからにさせて下さい。なので、あえてHPメニューには出してありません。裏メニュー的施術です。

その2は→こちら
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先日うちに見学に来てくださった先生方をご紹介します。

右から緒方眼科クリニックの緒方有香先生と、木下皮フ科クリニックの木下香里先生、アトリエのあこさんとのりこ先生。
緒方先生はアートメイクと切らない下垂手術の見学にいらっしゃいました(→こちら)。木下先生は再生医療に関心が強く、PRPの届け出方法についての相談と、将来的には脂肪幹細胞の培養上清を使った化粧品あるいは施術の開発にも前向きです(→こちら)。
美容業界は競争が激しいといいますが、マーケットはまだまだ未開拓で裾野が見えないほどです。自分の工夫やアイデアを秘密にして小さくまとまるよりも、互いに情報を共有して、皆で楽しく栄えていければと思います。
(2015年3月14日記)

鶴舞公園クリニック 院長 深谷元継